ピンちゃんの赤貧日記

明日は明日の風が吹く
徒然なるままに
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    ピンちゃんがインターネットを利用するようになってから20年以上がたち、ほんと月日の流れは早いものだと驚いてます。年を取ったせいか昔ほど熱心に他人のブログを巡り歩くということは少なくなってきたのだけど、某作家のブログはいまでも足繁く覗きに行っております。そこのコメント欄には昔からの常連さんが多くて、社会問題から軍事まで諸事一般についてああだこうだと日夜議論してます。

    毎晩のように酔った勢いでつたない意見を書き込んでみたり、しばらく足が遠のいたりということを繰り返しながら10年以上の付き合いです。そこでよく見かけた常連投稿者のひとりが3月9日に亡くなったそうです。ピンちゃんは勝手にモチモチさんと呼んでいたのだけど、そのモチモチ氏の御子息が代理でコメント欄にて訃報を知らせてくれました。その後のコメント欄にはモチモチ氏への弔辞コメントが並んでおります。

    他人への関心が薄いピンちゃんはモチモチ氏のひととなりや経歴などあまり記憶してないけど、五十代後半くらいで大企業に勤めていて、アメリカに赴任していたこともあったように思います。独特のフォーマットで長文投稿する方でした。ピンちゃんは仕事中の昼休みに携帯電話の小さな画面で読むことが多いので、ちょっと困ったなあと思うこともしばしばでしたが。

    ──とここまで書いて、大事なことを書き忘れていました。そこのコメント欄は基本的にブログ主である某作家のファンが集うところで、新作が出ると各地から某所で〇〇ゲットしましたなどのコメントが書き込まれるようなところです。そういう雰囲気のコメント欄で、よく見かける人だなという程度の認識しかなかったモチモチさんなんだけど、昨年ピンちゃんが入院したとき、赤貧日記に突然コメントしてくれたのです。

    モチモチさんも腎臓癌の切除手術かなんかで入院中か自宅療養中だったのかな。それでピンちゃんが入院していることに気づいてくれたのかもしれません。入院がどれくらい長引くのかよく分からない不安な頃だったから、コメントしてくれてありがたかったです。

    ・・・

    以上書いたように直接の面識はなく、他人のブログのコメント欄でハンドルネームしか知らないような仲ではあったけど、亡くなったと聞いて少しく落ち込んでいます。奇しくも今日は3月11日。年を取るにしたがって知人の訃報に接することが多くなるのは自然なことではあるけど、春はそこまで来ていたのにと残念でなりません。
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    極私的2016年の出来事
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      さて、今年もあと二日ということで年の瀬もすっかり押し迫ってまいりましたが、ピンちゃんの赤貧日記100万読者の皆様におかれましてはいかがお過ごしの事でしょう。この時期になるとテレビなどでもその年に起きた出来事などを振り返る番組が目白押しになります。日本で起きた大事件の事もあるし世界的な出来事もありますね。

      ということで、ピンちゃんが今年の出来事から印象深いものを10個選んで、それにコメントなどを添えて今年を振り返ってみようと思います。世界の10大事件ということではなく、あくまでピンちゃんが個人的に印象に残った出来事なので、他の人にはあまり興味ないことが多いでしょうがご寛恕のほどを。

      ・・・

      1位:ピンちゃん慢性膵炎で入退院
      まずはこれですね。いやー、ほんとに驚きました。30年も飲んだくれてきたから、遠からず肝臓がいかれるか本格的なアル中になって死ぬんだろうなと漠然と思っていたのだけど、まさかの膵臓。最初は膵臓の位置からして知りませんでした。

      あと、退院後ピタリとお酒を断って10か月たったことも驚きです。思い返せば高校を卒業する少し前辺りから飲み始め、大学生の頃にはいっぱしの大酒のみになっていたので、そんな簡単にお酒をやめられるとは思ってなかった。いまはお酒を飲まない代わりにせっせと甘いものを食べるスイーツ男子に変身しております。

      2位:ピンちゃんの歯医者さん通い
      いやー、どうでもいい話ばかりで申し訳ない。毎晩酩酊してそのまま寝るもんだから碌に歯を磨かないでいたら虫歯で酷いことになってまして、ちょうど懐にも余裕ができてきたところだったので歯医者に通うことにしたのです。今年は15回治療して差し歯2本までこぎつけました。

      おかげで仕事を休むこともあるのが痛い所なんだけど、実はピンちゃんは歯医者が好きなので毎週楽しみにしております。

      3位:遂にピンちゃん帝国の財政健全化
      わはは、50年の人生でほとんど初めて無借金状態になり申した。おかげさまで歯医者さんにも通えるし、最近はしばしば映画館で映画を鑑賞しております。

      4位:トランプ氏、次期米国大統領に
      アメリカの話だから普通なら誰が大統領になろうが知ったこっちゃないのだけど、これは驚いたなあ。東西冷戦でソ連に勝ったはずのアメリカだけど、内部から崩壊しかけてるんじゃないかと心配になる。トランプ政権が4年で終るか8年続くか見もの。

      5位:相模原障害者施設殺傷事件
      欧米ではしばしば大量殺人事件が起きるけど、まさか日本でこんなことがあるとは思っていなかった。あまりのことに現実感が希薄なほどで、しかも被害者が障害者ということで、日本社会はこの問題をスルーしてしまった印象が強い。

      6位:熊本地震 (2016年)
      最初に起きた地震が震度7だったから、てっきりこれが本震で、あとに余震が起きるとしても徐々に揺れ方は治まっていくだろう──根拠なんてないのになんとなくそう思っていたら、二日後にもっと強烈な地震がおきて被害が大きくなったんでしたね。

      前震、本震、余震というのは一連の地震活動が治まってから気象庁(地震学者?)が決めることだから、安易に判断してはいけなかったんですね。

      7位:ダッカ・レストラン襲撃人質テロ事件
      『この事件で、民間人20人、犯人6人、警察官2人の死亡が確認され、50人の負傷者が出たが負傷者の大部分は警察官であった』
      この民間人20名の死亡者の中に日本人が7名含まれていたんですね。日本人が海外でテロに巻き込まれ死亡したケースでは最も多いのではないかしら。イスラム国がらみのテロが世界で頻発していて困ったことです。

      8位:イギリスのEU離脱
      意識の上ではアメリカより遠いところにある欧州の事だから、それほどのショックということではなかったのだけど、やはり世界史的には大きな出来事です。しかも、大元にあるのは移民難民問題で、その負担にイギリス人が耐えられなくなったということなんでしょう。その後のトランプ大統領誕生といい、欧米に異変アリですね。

      9位:オバマ大統領広島訪問&安倍首相真珠湾訪問
      どちらも歴史的な出来事で、お互いに公式な謝罪こそありませんでしたが、日米両国民の心の中でしこりとして残っていたものが解消される契機になったのではないかと期待しています。月並みな言葉ではあるけど、過去は消せないけれど、未来はいまから作ることが出来るのです。

      10位:トリプル台風 目先警戒は11号
      とても変則的なトリプル台風9号、10号、11号が大きな被害を出しました。ピンちゃんが住む北海道でも橋が落ちたりして大騒ぎ。特に274号線沿いの被害が大きくて、未だに日勝峠は一般車は通行止めになっています。

      ・・・

      ということで、思い浮かぶままに2016年の10大ニュース的なことを書いてみました。これ以外にもいろんなことがあったはずだけど、まあ、日本ハムが日本一とかリオ五輪関係なんかもありましたね。特に男子100m×4リレーでの銀メダルは感動したな。

      あとは有名人の訃報なんかもあるけど、そういうのを書きだすと10位に収まらなくなるので、このエントリはこれでおしまい。
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      『鳥越俊太郎「女子大生淫行」疑惑』を読んでみた
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        文春や新潮を買わなくなって久しいのだけど、ネットで散発的に見かける鳥越批判だけでは全容が分からない。なので、文春の当該記事を読んでみないことにははじまらないと判断し、400円だして購入してきた。

        世の中には、記事の内容は気になるけどそれだけのために週刊誌を買うのはもったいない、と思う人もいるであろう。そこで、不肖わたくしが内容をご紹介しようと思い立った次第である。

        ・・・

        記事は当該号22〜25頁で、分量としてはそれほど多いものではない。最初の見開きページの上半分は写真と特大活字で埋められているから、実質的な記事は三ページ分である。タイトルは、

        『鳥越俊太郎「女子大生淫行」疑惑』

        で、サブタイトルは「被害女性の夫が怒りの告白!」となっている。



        まず、登場人物を紹介しておけば、

        鳥越俊太郎(76):1940年生まれ
        永井一晃(仮名・30代後半)
        A子さん(2002年当時大学二年生)

        淫行疑惑事件が起こったのが2002年──14年前の出来事であり、鳥越氏は当時62才。還暦過ぎである。

        ・・・

        記事の書き出しは文春編集部のいい訳から始まる。この時期に記事化することで都知事選になんらかの影響を与える懸念はあるが、公益性に鑑み決断した云々という意味のことが書いてある。記事の本筋とは関係ないので省略。で、そもそも都知事選の取材をする過程で鳥越氏の醜聞を知り記事にするに至ったとも書いてある。

        続いて鳥越氏がかなりの女好きであるらしいという証言が幾つか載っている。まあ、この辺もどうでもよい。

        ただし、鳥越氏が名をあげるきっかけになったのがサンデー毎日編集長時代にスクープした「宇野首相愛人問題」であったことは記憶しておいた方がいいと思われる。当時は「三つ指愛人問題」などとも言われたけれど、これは宇野元首相が芸者の指を三本握って、これでどうだ(月30万円の意)などとせまったという生々しい話が出てきたからだったと記憶している。

        ・・・

        さて、2002年に鳥越氏の行った淫行疑惑とはどんなものか。絶対匿名を条件に有名私立大学関係者が語ったところによれば、、、

        「鳥越氏は、十数年前、ウチの大学によく来ていました。あるメディア関係の教授と親しかった関係で、その教授のゼミなどを訪れて、学生たちとも交流をもっていたんです」

        「特にマスコミ志望の学生などは鳥越さんを慕っていたし、鳥越さんもよく学生たちの相談にのっていたようです。一方で学生たちの間では、『鳥越さんは露骨にかわいい女の子にばかり声をかけている』という評判もあった。地方出身の女子学生に、鳥越さんが『東京の父と思いなさい』と声をかけているのを聞いた人もいます」

        「ある日、鳥越さんは、とりわけ気に入っていた女子学生を別荘に連れ込んで、強引にみだらな行為を行ったんです。これが原因で、鳥越さんは大学を出入り禁止になったんです」

        ──以上の証言を基に取材を重ねた結果わかったことをもう少し詳しく書いている部分が続くのだけど、枝葉末節であろうからこれ以上は引用しない。

        ・・・

        要するに鳥越氏が某有名私大の大学2年の女子学生を別荘に呼び出し、いいよったけれど拒絶されたということである。タイトルにある「淫行」の中身はキスどまりで、それ以上の行為には及んでいない(及べなかった)そうである。

        別荘での会話の断片らしきものが「」付きの会話体で書いてあるのだけど、ここで疑問が幾つかある。まず、被害者A子さんの誕生パーティを口実に別荘に誘ったようだけど、これはA子さん一人だけだったのか、数人のグループだったのか。記事には鳥越氏のセリフとして、

        「二十歳にもなって、そんなに性のことを知らないのか」
        「大人の恋愛というのはこういうものだよ」
        「バージンだと病気だと思われるよ」
        「ラブホテルに行こう」

        などと具体的に書かれているのだけど、二人きりであればA子さんしか知らないセリフであろう。記事の書き方からすると、どうも別荘へはふたりきりで行ったらしい。

        冒頭に記した登場人物の永井一晃(仮名)氏というのがA子さんの当時の恋人で、現在の旦那さんであるそうだ。従って、上のセリフはA子さんから事情を聞いた旦那さんが文春記者に語った内容なのだろう。

        記事を読んだ限りでは、上のセリフの行間にキス以上セックス未満の行為があっても不思議ではないと思われるが、これを「淫行」とするのは大げさな表現だろうと感じる。特に、この出来事で心に傷を負ったA子さんが「死にたい」と口にするようになったというのも大げさに感じる。

        しかし、別荘の事件までキスもしたことがなかったという話が事実なら、A子さんは確かに恋愛に関してはかなり奥手だったのだろう。鳥越氏は当時すでに有名人であったし、恐らくはA子さんの父親よりも年上だったろうから、まさか肉体関係を求められるとは想像できなかったのかもしれない。

        この辺は個人差があるだろうから、推測でものを言ってもしょうがない部分ではある。

        ・・・

        記事のその後は、A子さんの様子をおかしく思った永井氏が別荘での出来事を聞き出し、鳥越氏を含めた三名での話し合いの様子が書かれている。細かいところをぼかして書いてあるようなので少々はがゆい文章がつづくのだけど、記事全体を読むと大まかな話の流れは事実であるように思われる。

        当時この話を聞きつけた週刊新潮が某私大の学生に取材したりして記事になる寸前であったそうだ。



        当の鳥越氏は事実無根として週刊文春を訴えると息巻いているそうであるが、どこまでを事実無根と主張しているのかはよく分からない。まさか、(ふたりきりで)別荘に行ったところまで否定はしないと思われるが、この件に関しては全て弁護士に任せているとしか発言していないようである。

        宇野元首相のプライベートな女性関係を徹底追及した元週刊誌編集長としては、少々歯切れの悪いことではある。

        ・・・

        客観的に状況を整理すると、還暦過ぎの有名人が二十歳の女子大生を別荘に誘いだし、ことに及ぼうとして果たせなかった。要約してしまえばこれだけである。

        これだけで鳥越氏が都知事として不適格だとするのは少々言い過ぎではないかと思いつつこの記事を読み終えた。
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        免許更新見聞録 復路編
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          午後の部が始まり、まずは「安全運転自己診断」という用紙が配られた。運転の適性というか、普段の運転傾向がわかるチェックシートのようだ。項目は28もあり、考える間もなくチェックしていくのが肝心らしい。講師の先生がかなりの速さで読み上げていく。

          6ブロックに分かれていて、採点してみると私は「事故傾向は弱い」「事故傾向がある」がみっつづつ、「違反傾向は弱い」「違反傾向がある」がそれぞれ2つと4つであった。全体的に見るとあまりいい結果とは言えない。

          この自己診断に要した時間は、解説なども含めて15分ほどであった。

          ・・・

          その後はほとんどビデオを観た。違反講習で観るビデオと言えば、昔は事故を起こした人の手記などが朗読されたりして陰気くさいものであった。あなたたちも事故を起こせばこういう悲惨なことになり一生後悔しますよ──という、あからさまに脅迫するようなメッセージが基本コンセプトであった。

          それが今日見たビデオではずいぶんと様変わりしていた。テーマは「見ること」。運転免許の違反講習で「見ること」とはまた風変りである。

          ビデオはまず新婚家庭の朝食場面から始まる。旦那さんが食卓につき、納豆をかき混ぜ、醤油をかけて食べ始めた。NHKのドラマみたいである。と思ったら、旦那さんが情けない声で

          「ソースかけちゃった。。。」

          教室には笑い声がもれていた。つかみはオッケーである。というか、今までの違反講習ビデオでは考えられない出だしである。この寸劇のような朝食場面はもう少しつづき、奥さんが

          「さあさあ、もう時間ですよ。いそいで」

          などという台詞があるのだけど、すぐ後で実は時計を見間違っていたことが分かる。つまり、このビデオで言いたいことは、人間は目ではっきり見ても錯覚することがあるということらしい。

          このあと科学的な説明なども交え、目で見ているつもりでも脳がきちんと認識していない実例や、視野自体はひろくても注目している付近から少しでも外れるとかなりぼやけているということを分かりやすく教えてくれる。

          昔と比べると違反講習のビデオもかなり進化しているのだなと感心してしまった。ビデオが面白かったので午後の50分はあっという間に過ぎていき、午後1時には時間通りに教習は終了したのだった。

          そのまま教室で更新された新しい免許証を受け取り、免許更新も無事終了。やれやれである。やれやれだったのだけど、新しい免許証の写真を見て悲し
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          免許更新見聞録 往路編
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            駐車場は車であふれていた。何しろここは北海道で一番大きな運転免許試験場なのだ。

            真夏を思わせる日差しが照りつける中、駐車場を横切り建物へ入って行った。正式名称を札幌運転免許試験場といい手稲区にある。建物のなかもひとで一杯である。これだけのひとを捌くのは大変だろう。

            人でごった返してはいるけれど、手続きはスムーズに進んでいった。まずは更新を知らせてくれたハガキ──運転免許更新連絡書と免許証を差し出すと、なにやら用紙を二枚手渡された。一枚は質問票で、病気や体調についての質問事項がよっつほどあった。

            もう一枚は申請手数料の印紙を貼りつける台紙を兼ねていた。北海道公安委員会としては最も重要な用紙であろう。私の場合、更新手数料2500円、講習手数料1350円、合計3850円也である。

            印紙を貼りつけると次は視力検査。条件はメガネ等でいいかと訊かれ、メガネをつけたまま視力検査をして30秒でパスした。次は左手奥にあるカウンターで住所変更などはないか訊かれ、ないと答えるとすぐ横で待つように言われる。

            名前を呼ばれ、先ほど手渡した免許証とラミネートコーティングされたものをもらったと思う。講習区分などで種類が違うようであった。この時点で免許証の中央には穴が穿たれていた。ここで急用ができたりしたらどうなるのだろうか。

            最後に写真を撮り準備完了である。試験場についたのが午前10時過ぎ、事前手続きの終了が10時半少し前であった。ちなみに、私の講習区分は「違反講習」で11時から2時間の予定である。余裕が出来たので、喫煙所で一服し時間をつぶすことにした。

            ・・・

            免許更新を思い立ったのは今朝のことである。クーラーバッグにペットボトルの水、氷水(保冷剤も兼ねている)、36円の缶コーヒーをふたつ、マシュマロなどを放り込み、万が一手持無沙汰になった時のために本を三冊用意して大急ぎで出発することにした。

            財布の中には5千円札と小銭がじゃらじゃらあったけど、念のため近所のコンビニで1万円おろしてから出発した。給料日の一週間前に1万円もおろせる余裕があるとは我ながら大したものである。

            前回もそうであったけど、手稲区の免許試験場までどうやって行けばいいのか細かいところまではよくわからない。何度か行ったことがあるにもかかわらず、いまだに道順があやふやなのである。とりあえず36号線を北上し小樽を目指せばよい──念頭にあるのはこれだけである。

            千歳から恵庭、北広島を過ぎ清田区に突入した辺りから明らかに札幌の重力圏内である。この辺から交通量も増えてくる。更に豊平川を渡ればもう後戻りはできない。ここからは完全に札幌中心部なのである。

            道がよく分からず緊張しているせいか、出発してからたばこを5、6本は吸っている。ここまでは1時間ほどの道のりだから明らかに吸い過ぎである。パチンコや麻雀をしているときもタバコの本数が増えてしまうけど、あれもやはり緊張しているからなのだろうか。

            そんなことはどうでもいいけど、どこかで36号線から5号線に移らなくてはいけない。それがどこだか思い出せないのである。しかーし、札幌市内の道はよく分からないけれども、交差点ごとに東西南北の座標上でどの辺にいるのかだけは分かるのである。

            デカルト万歳!

            泉下のデカルト先生に手を合わせたい気分である。小樽を目指し進んでいるうちに東西南北の表示が無くなり、この辺から札幌郊外なのであろう。ここいらで5号線に無事に乗り移っていたように思う。あとは何となく記憶があり、免許試験場に右折する手前に案内標識があったはずである。

            記憶通りに700メートル、200メートル手前に小さな標識があり、右折すべき交差点には大きな案内標識を見つけ一安心である。内心どきどきしていたけれど、ここまでノーミス、最短距離でたどり着けた。札幌運転免許試験場の駐車場に到着したのは出発してからちょうど2時間後である。

            ・・・

            10時40分を過ぎてから講習の手続きが始まった。ピンク色の短冊のようなものと教本二冊を手渡され教室に移動した。ピンク色の短冊というのは受講者名簿で、本日の年月日、氏名、生年月日、満年齢を書き込んだ。筆記用具を用意していないひとにはHBのえんぴつが用意してあり助かった。きれいに削ってあり書き心地はよい。



            講習は11時ちょうどに始まり、黄色い教本「北海道を安全に走るために」を中心に進められた。



            北海道の面積は83456km^2あるそうで、これは九州、四国、岩手県、宮城県を合計した広さ(83108km^2)とほぼ同じであるそうな。広い割に人口は少なく、行動範囲が広くなる分どうしてもスピードを出しがちになり、従ってひとたび事故が起こると死亡率が高くなってしまう──というようなことが書いてある。北海道の特性から説き起こされ、コンパクトにまとめられたよい教本であると思う。

            午前中の最後にシートベルトの威力がよく分かるビデオを見せてもらい、短い休憩が挟まれた。10分しかないので大急ぎで1階の喫煙室まで行き一服。12時10分になり予定通り午後の部がはじまった。
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