ピンちゃんの赤貧日記

明日は明日の風が吹く
ワーキングプアでも働いてひっそり生きる
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    午前4時起床。くもり、一時雨。

    8月も最後の日だけど、今日も朝が早い。会社出発が4時半なのだ。もはや、お弁当を作る余裕なんてない。寝坊しないだけで必死である。一番遠い現場から徐々に近づいてくれたほうがピンちゃんは助かるのだけど、どういう訳かそうはなっていなくて、徐々に遠くなってる。片道3時間かかる場所なので、出発時間が30分繰り上がったのだ。

    総勢10名が4台の車に分乗して、いざ出発である。車が4台あるからには運転手も4人必要で、ピンちゃんもそのひとりである。昨晩は深夜零時過ぎまで飲んでいたので、かなり厳しい。けれども、ここまで遠方になると運転手当が最高額の2千円になるので、気合で運転するしかないのである。

    仕事はだいたい順調に進み、午後4時頃に終了。何事もなく終了してよかったけれど、ここからまた3時間かけて帰らなければならない。これが遠距離現場のつらい所である。既に仕事で疲れているのに、更に3時間の運転なのである。けれど、この問題はO宮部長(課長から昇進した)の英断で、かなり楽になった。

    つまり、普通運転手当を貰うには往復運転しないといけなかった。なので、遠距離現場になるほど負担が多かったのだけど、今の現場に関しては片道だけでも運転したら、手当を出してくれることになったのです。ということで、ピンちゃんは朝運転したから、帰りは車の中でツイッターしたり、半分寝たりしながらの帰還となった。

    今月はそこそこがんばって23日働いたので、来月の給料日まで生き延びれば、なんとか体制を立て直せるのではないかと期待してます。

    ・・・

    ○PCモニター爆発、メーカー当惑「本体なら前例あるが……」
    http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110829-00000059-scn-cn

    今回は死人けが人の類がいないので心安らかにとりあげられて嬉しいのだけど(笑)、ほんと「爆発」は中国のお家芸になりつつまります。ピンちゃん同様「中国爆発マニア」が2ちゃんねるには多いらしく、何かあればかならずスレが立ちます。

    どうして中国ではこういうことが多いのだろうと不思議に思うのだけど、やはり組み立てる過程での配線ミスとか、そもそも設計ミスということなんでしょうね。中国の工場で組立て仕事をしている人たちには電気回路などの基本的な知識がないひとが多いのでしょう。

    しかし、それは日本だって同じだと思えるのです。なのに、こんなに差がつく理由は、やはり日本の工場は品質管理が優れているからだとしか思えない。きっと、日本の工場は、不良品の率を下げるために涙ぐましい努力を続けてきているのでしょう。

    ○砂浜の落とし穴で夫婦死亡 誕生日で驚かそうと妻が掘る
    http://www.47news.jp/CN/201108/CN2011082801000013.html

    この事件というか事故、既に多くの方が取り上げてるので、いまさらピンちゃんが被害者やその親類の古傷に塩を塗りこめるように取り上げることに少々戸惑いがあるのだけど、それにしても何故2.5mなんて常識はずれの深さにしたんだろう。しかも、砂場みたいなもろいところで。

    ピンちゃんも子供の頃は盛んに落とし穴を作ってイタズラしていたけど、子供だからせいぜい50cm位だったと思う。よく考えてみると50cmでも、落ち方によっては骨折くらいするかもしれない。当時のピンちゃんはそんなこと思いもしなかったけど、いい年をした大人が2.5mは、やはり批判されてしかるべきだと思う。

    けれども、お葬式でのお二人の親族の心境を忖度するとやりきれない。せっかくの新婚で、お二人はまだ若かった。これから幸せな家庭を築いていこうとしていた矢先だったでしょう。特に、お嫁さんのご両親やご親族が気の毒です。他人が間違って穴に落ちたらどうするつもりだったんだという批判はあるし、それももっともな話なのだけど、ピンちゃんは亡くなったお二人が気の毒でならない。穴掘りを手伝った友人も気の毒だ。

    それにしても、若いとはいえ二十歳を過ぎた大人が何人かいて、これは危ないから別の企画にしようと何故言い出さなかったのだろう。ひとはいろんな死に方をするものだけど、今回の事故は、悲劇なんだか喜劇なんだかよくわからない。でも、気の毒だ。
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    2011年8月の業務報告
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      今年の北海道の夏は去年に比べれば過ごしやすかったのだけど、被災地の皆さんはどんな感じだったのでしょう。東日本大震災から早くも半年が過ぎ、政治状況も菅首相辞任で野田新首相とか、動きが激しい月でありました。

      やはり今月の話題といえばこの辺の政治関係になってしまうと思うのだけど、政権交代から2年も経っているのに、民主党はいまだにパッとしませんね。経験不足、人材不足、スキル不足ということなんでしょうが、そんな言い訳は許されない状況です。

      政権交代こそが経済対策などと嘯いていたころは笑って見過ごせたけど、2年経っても悪くなる一方では笑って見過ごすにも限度があります。もちろん、東日本大震災という凶事が突然起こったことは、現地の皆さんにも菅政権、或いは民主党にも同情はしますけど、そこで歯を食いしばってもらわないと困るのです。

      などと、説教的かつ偉そうな書き出しになってしまいましたが、今年はどうしたって東日本大震災の話題からは離れられない。でも、ピンちゃんは野田新総理の期待してます。がんばってください。

      ・・・

      年をとると繰言が増えて困ったものだけど、今月の赤貧日記のページヴュー(PV)は、31797PVでした。先々月から徐々に盛り返し、ようやく月に3万PVを超えたので嬉しいです。月のPVが3万を越えるということは、1日平均で1000PVを超えるということで、ピンちゃんみたいな非有名人の素人ブログ、しかもダメ日記系としては嬉しい数字です。

      そういえば、今月は何だかんだ言って、かなり気合を入れたエントリが多かったから、読みに来てくれた人も多かったんだなと自画自賛しております。こういうちょっとしたことが嬉しいから、何年も毎日書き続けられるのです。

      ・・・

      さて、恒例の今月の人気エントリトップ5なんだけど、

      1.エロ賢いグラビアアイドル:優木まおみ

      2.ONCE UPON A TIME IN JAPAN
      3.広島記念式典:菅直人首相が核について確約
      4.やはり人生で重要なのは運かもしれない
      5.何が起こるかわからない、日々を大切に

      1.は、もうみなさんお馴染みの、赤貧日記の女王優木まおみさんのエントリ。何でこんなに人気があるんだかピンちゃんも分からないけど、とにかくぶっちぎりで人気のあるエントリです。2.は、もともとあった小説の内容を借りて、ピンちゃんの自嘲的自分語り。意外と多くの人が読んでくれて驚いてます。3.は、また英語をこっそりと勉強しなおそうと思って訳してみました。エントリにあるのは初稿で、お金を貰うための翻訳なら、もう少しこなれた日本語に直すところです。4.はタイトルがよかったんでしょうね。内容は、大したこと書いてません(笑)。5.も同じで、説教くさくてセンスの悪いタイトルだなと思うのだけど、こういうのに一定数反応する人がいるんだなと。サッカー選手の写真を載せたのがよかったのかもしれません。

      ・・・

      アフィリエイト関係は、google AdSは、なんとか千円には届いたかなと。アマゾンのほうは、実は金額が分からない。今月はノートパソコンが熱中症で突然逝ってしまい、アマゾンのサイトにログインできなくなってしまった。つまりパスワードが分からんのです。

      ピンちゃんがいつもつかうパスワードはせいぜい10種類程度で、そのどれかのはずなんだけど、どれもはじかれてしまう。まあ、金額が分からなくても直ちに影響があるわけじゃないので、本気でパスワードを探し当てようという気がないものだから、いまだにそのままになってるのです。

      今月中にはなんとかしないと、などと思ってます。

      ということで、2011年8月のネットライフはこんな感じでございました。
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      政治と株には手を出すなとおばあちゃんが言ってました
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        午前4時10分起床。晴れ。

        道南は残暑が厳しかった。しかも、湿度が高いし、海沿いにあるトンネルの仕事だから汗ばんで不快指数も高い。稼ぎ時なのか、たまたま今日のような天候が昆布漁には最適なのかよく分からないけど、近所の方々が朝から軽トラでいったりきたりしている。彼ら彼女らはいつもの行動で、ピンちゃんたちの作業のほうがイレギュラーな邪魔者であるに違いない。

        なので、監督さんも作業員さんも、もちろんピンちゃんたち警備員も非常に気を使って仕事をしてました。もしも昆布漁の地元の人からクレームが来たら平謝りしましょうみたいな感じ。仕事柄謝ることには慣れているので、ピンちゃんたちはなんでもない(笑)。

        何にしろ作業は無事終わり、ホッと胸をなでおろしながら帰宅。「仕事終了。帰宅中なう」とかツイートしながら、今から2時間半かかるのかよと思ったり。こんな生活があと三週間も続くのはきついけど、ピンちゃんたち警備員にとっては稼げる現場なのでがんばるしかない。

        思い返して見ると、ピンちゃんが警備員になって約6年だけど、昔は額面なら20万円を越えることが時々あったのだけど、最近はほとんどない。それだけ道路関係の仕事は先細りなのだけど、これも時代の流れでいかんともしがたい。今はちょっと忙しい月なら15万円前後になるけど、これが10万円前後になったら、警備員以外の仕事を見つけるしかないだろうな。

        警備員という職業がまったく立ち行かなくなるということはないにしろ、全体的には警備業界のパイが小さくなっていくのは避けられないでしょう。

        ・・・

        さて、野田首相誕生である。ピンちゃんは民主党内のどんな派閥力学が働いてそうなったのか確言はできないのだけど、だいたい識者なみなさんが言ってるとおりなんでしょう。ピンちゃんは海江田さんや前原さんがなるよりはよかったんだろうと思ってます。

        いまやテレビを見られないピンちゃんは、代表戦で各候補がどんなスピーチをしたのか知らないけど、海江田さんは国会かなんかで泣いた時点でだめだと思っていたし、前原さんは、どうも都合が悪くなると簡単に役職を辞任して、それで責任を取ったことにする感じで、無責任という印象が強い。

        なので、民主党が野党のときの国対委員長として初めて知った野田さんではあるけど、一定の安定感があるのはいいことだと思ってるのです。それにしても、2ちゃんねるではアンチ自民な人たちが小泉政権以降の自民党を、人材がいないとあざ笑っていたけど、民主党の人材不足こそ心配するべきでしたね。

        アンチ自民で民主党政権を夢見ていた人たちは昔から、民主党には優秀な若手がたくさんいるのだと常々主張してきたのだけど、その優秀な若手たちはいっこうに成長できないでいるようです。与党の四年は野党の十年に匹敵するだろうから、早く優秀な若手が成長して欲しいもんだと、ピンちゃんはやきもきしております。

        ・・・

        ○前原氏は政調会長
        http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110830/stt11083018210021-n1.htm

        上の話と関連するのだけど、民主党政権での有力な役職って、ほとんど同じ人で使いまわしているでしょう。民主党はどれだけ人材不足なんだと昔から思ってました。もっと大胆に若手を起用すればいいのに。それにしても前原さん、あと10年くらい経つと御面相が仙谷さんとうりふたつになりそうだ(笑)。

        それができないなら──ピンちゃん如きには分からない理由があるのだろうけど、鳩山さんを沖縄の米軍基地問題の責任者、前原さんをヤンバダム関係の役職につければ面白かった。ご本人が受けないだろうけど、そのくらいやらないと新生民主党という感じにはならない。

        ピンちゃんがご贔屓にしている小泉首相時代なら、かなりの深慮遠謀があって内閣改造していたし、誰もが予想していなかった人事があった。後に日本一のイエスマンと自称した武部さんを幹事長に抜擢したのは驚いたけど、農相のときもかなり仕事をしていたし、実力がある人だと見抜いていたんでしょう。

        二階さんを郵政選挙の裏方にすえたのもかなりの卓見だった。ほとんどテレビには登場しないから、どんなひとなのかよく分からないけど、ピンちゃんの印象ではミニ小沢な感じ。小沢さんほどの腕力ではないにしろ、きっちり候補を纏め上げたからこそ、あそこまでの風が吹いたのでしょう。

        もうひとり挙げたいのが広報担当の世耕さん。このひともまた優秀で、小泉訪朝時から影でいい働きをしていた。あまりにも郵政選挙が一方的な結果になったので、2ちゃんねるでは「チーム世耕(笑)」とか書いて、何のことか分からないけど、そうでも書かないと精神の安定を失いかねないアンチ小泉なひとが続出して、ピンちゃんは苦笑しながら見てました。

        いや、世耕さんだけでなく、当時官房長官だったフフン福田さんも見事だった。外務大臣は川口順子女史だったと記憶するけど、基本的には官邸外交などと揶揄されていて、川口さんは自説を主張することはなかった。官邸や外務省から降りてくる方針以外のことは一切言わなかったという意志の強さが印象に残っている。

        ここまで書けば、小泉さんの秘書であった飯島さんにも言及しなければなるまい。ハゲで押し出しの強い感じの人で、改造人事のたびに閣僚候補のひとりひとりの「身体検査」をして間違うことがなかった。5年半の長きに渡り、小泉政権で閣僚のスキャンダルがほとんどなかったのは、飯島さんの手腕によるものでしょう。

        なぜこんなに小泉政権の頃を熱く語っているかといえば、あの頃がピンちゃんの政治の季節だったから、いろんなことを記憶しているのです。アンチな人から見れば、何から何まで気に入らなかったらしいのだけど、ピンちゃんは面白くてしょうがなかった。だいたい、5年半も続いた政権なのだから、そこに見るべき面があったことは明らかなのに、2ちゃんねるなんかだと全否定しなくては気がすまないひとがいまだに少なくない。

        まあ、なんだかなあってことだけど、小泉政権時代に活躍していた「小物界の大物」山本一太先生のことも、たまには思い出してあげてください(笑)。
        | 日記 | 00:00 | comments(0) | trackbacks(0) |
        磯の香りが肌にべとつく満潮のとき
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          午前4時15分起床。晴れ。朝は肌寒かった。

          会社に4時50分集合、5時出発ということになっているのだけど、ピンちゃんは会社の近くに住んでいるから、今からお弁当を用意してもぎりぎり間に合う。しかし、まだ体調が悪くて気力が出ない。コンビニのおにぎりで間に合わせよう。そう思い、氷水だけ持ってでかけた。

          なぜこんなに朝が早いかといえば、今日から現場が遠いのである。距離なら片道150km、時間なら2時間半というところである。トンネルの仕事ということで、総勢8名。ピンちゃんだけが眠いわけじゃないから、文句は言えない。

          会社に着くとピンちゃんが一番であったから、内心嬉しかったのだけど、たまたまである(笑)。どうやら三週間くらい続く現場であるらしいから長丁場である。遠距離で長丁場となれば、たまたま会社に一番乗りするより、一度も寝坊しないことが肝心なのである。ぎりぎりでもいいから、寝坊しないことが望ましい。

          ・・・

          仕事はまあ、アタマのH山さんをはじめ、スペシャリストが揃っているから、ピンちゃんが心配することは少ない。自分の役割をやるだけである。現場は、磯の香りが強く漂う海岸線で、地元のひとたちが昆布漁にせいをだしている。

          軽トラの荷台に牽引機を装備した車がたくさん走っているのだけど、どうやらこの牽引機で昆布を巻き上げるみたいだ。昆布漁の実際はよく知らないのだけど、何しろそのへんの浅瀬の海岸にゆらゆら揺れている昆布をとって、それを地面で天日干しにして、恐らくは近所の加工会社に納入するのである。

          原材料費はただで、人件費だけ。その人件費だって家族総出でことにあたれば無料である。というか、その人件費の分が収入になるのである。実際いくらになるのか知らないけれど、なかなかぼろい商売のように見える。ひょっとすると、漁業権とかなんとかでお金を払わないと、勝手に取ってはいけないのかもしれないけど、それにしたってである。

          ・・・

          浦河というと、ピンちゃんはいつも愛子先生を思い出す。作家の佐藤愛子女史のことだけど、ファンは敬愛の念をこめて愛子先生と呼ぶのである。ピンちゃんもファンなのだ。ただ、申し訳ないけれど、ピンちゃんは愛子先生のエッセイのファンで、小説のよき読者ではない。

          遠藤周作、北杜夫両先生あたりが愛子先生と同年代の作家で、三人とも知り合いなのだけど、やはり小説で言えば愛子先生は、遠藤、北には見劣りする──というような話はいいとして、なぜ浦河なら愛子先生かといえば、浦河に別荘があるのである。

          何を思って北海道の、しかも南の辺境に別荘などを建てたのかはよくわからない。愛子先生といえば、長らく別れた夫の借金を返済していて(このダメ夫も、一応は文学を志していた仲間)、それで愛子先生は怒涛の如くエッセイを書き、講演をしまくっていた。それでようやく一息ついたあたりで別荘でも、ということになったのかもしれない。

          ところが、この別荘が大変なことになっていると何度もエッセイに書かれておられた。何が大変かというとふたつある。ひとつは、資金不足で、二階の天井の費用がないから天板はつけられないとかである(笑)。これは地元の業者が、こんな半端な仕事をしたとなれば面目が立たないとかで、何とかしてくれたらしい。

          もうひとつは、たびたび怪奇現象が起こるのである。いわゆるひとつの、ポルターガイスト現象。その頃からだろうか、愛子先生がそっちの世界にのめり込んでいったのは。酒鬼薔薇事件のとき、週刊文春だと思ったけど、各界の識者に短いコメントをとって掲載していたのだけど、愛子先生は「悪霊に取り付かれた」とか書いていた(笑)。

          いや、まあ、昔なら、あんな訳の分からない猟奇的な殺人事件なら悪霊の仕業じゃないかという話になったことでしょう。現代なら、精神医学だか心理学だか知らないけど、それらしい説明があるのだろうけど、ピンちゃんも悪霊に取り付かれたんだと思わないでもない。悪霊の別名が、今の学術用語なのでしょう。

          ・・・

          ということで、今日から始まった現場は遠くて困ったもんだけど、そこそこお金になるから、三週間がんばろうと思っているピンちゃんなのです。
          | 日記 | 00:00 | comments(3) | trackbacks(0) |
          残暑の厳しいつくばの夏を忘れない
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            午前8時半起床。晴れ。

            この時期の北海道は、朝夕は肌寒く、でも昼間はけっこう暑いという日々が続きます。そのうち、昼間にも肌寒い風が吹き始め秋は深まってゆく。などと、のどかに書き始めている場合ではない。今日は9時から研修があるのだ。一応8時くらいから目は覚めていたのだけど、二日酔いで具合が悪くてなかなか起き上がれないでいた。

            研修会場はそれほど遠くはないのだけど、起き上がって服を着て、忘れ物がないか確かめて、階下の車庫に停めてある車の運転席に乗り込み、ついでに朝の放屁を一発決めてから車を出し──などとやってると思ったより時間がかかった。ここには書けないくらいのスピードで会場まで飛んでいったら(放屁と同様に比喩である)、ピンちゃん以外は全員揃っていた。

            かろうじて研修の開始時間にはぎりぎり間に合ったけれど、お酒臭くないか気になった。気になったので、なるべく息を潜めていた。

            ・・・

            毎回こんな調子なのだけど、この研修というのは警備員が半年に一回受講しないといけないもので、正確には「現任教育」といいます。「基本教育」3時間以上、「業務別教育」5時間以上と警備員法に定められております。ピンちゃんは交通誘導警備二級の資格が有るので基本教育は免除されてるんですが、だからといって遅刻していくとしかられます。

            ちょっと差しさわりがあってあまり詳しくかけないのだけど(笑)、研修は座学が中心で楽だし、昼のお弁当とお茶が支給されるし、更には最低時給×8時間分の日当までもらえるのでピンちゃんは嫌いじゃないです。もっとも、今日は二日酔いがひどすぎて、お弁当は半分くらいしか食べられなかったけど。

            ・・・

            研修が終わって帰宅した後は、部屋でひとりぽつねんとしながら、350mlのサワーを四缶ほどしんみり飲んでおりました。明日の朝は早いし、体調も悪すぎて日本酒は飲めなかった。なぜしんみりしていたかと言えば、数日前に書いたと思うけど、今日がI貝さんの命日なのです。

            確か1994年のことだったから、もう17年経つんですね。ピンちゃんは二十八歳だった。最初のフルペーパーが専門誌にアクセプトされ、その研究を中心に博士論文をまとめる目算がついたころだったはずだけど、ピンちゃんは非常に憂鬱であった。

            担当教官と顔を合わすのが嫌でわざと研究室に夜に行って朝帰ったり、アパートの電話はジャックを引き抜いたりしていた。学位はとれそうだけど、その後アカデミックポストにつける可能性は少ない。というか、ほとんどない。どうしたものかと悩んでいた。7,8年付き合っていた彼女と別れたのもその頃である。

            だからと言う訳でもないのだろうけど、ピンちゃんは毎年8月になると憂鬱になることが多い。
            | 日記 | 00:00 | comments(2) | trackbacks(0) |
            いつもの休日
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              今日は休日だったので、昨晩から飲み始め、当然酔いつぶれた。目が覚めたのでまた飲み始め、当然酔いつぶれた。というような1日であった。
              | 日記 | 00:00 | comments(0) | trackbacks(0) |
              うれしはずかし初体験
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                福岡のスナックで飲んでいた。まだ常連とは言いがたい程度の店だったけれど、明日から旅行にいくんだよとかなんとか、ご機嫌であった。これは事実で、一週間の予定でカナダへ旅行するはずなのに、前の晩に飲んでいたのである。

                似たようなことは何度もあって、私は何か大きな行事などがあると、精神の奥深いどこかで極度に緊張するらしく、訳の分からない行動をとってしまう。生まれて始めての海外旅行で(10年のパスポートを取得した)、しかも明日から一週間の予定なんだから、飲みになど行かずおとなしくすぐに寝ればよいのである。

                最初は穏やかに対応してくれていた飲み屋の女の子も「私だんだん心配になってきた」と。時間は深夜零時を超え、確か3時位まで飲んでいたのだ。福岡空港の出発時間は朝の8時くらいだったはずだから、なぜこんなに遅くまで飲んでいたのか自分でも分からない。たぶん、生まれて始めての海外旅行に緊張していたのである。

                ・・・

                電話の音が鳴っている。最初はうるさいなと漠然と思っていたのだけど、だんだん意識がはっきりしてきて、自分が致命的な寝坊をしていると気がついた。あせって電話に出てみると母である。そういえば、寝坊したらまずいと思い、愚母に朝の7時頃に電話してと頼んでいたのだ。

                ああ、わかった。起きたよ、ありがとうと言って電話を切ると、すぐにまた電話が鳴った。今度は研究所の美人事務員からである。彼女もカナダ旅行の参加者で、研究所では私と彼女とふたりだけが参加者なのだ。はいすいません、寝坊しまして、今からタクシーで行きます、とかなんとか言ったような気がする。

                一応荷物は準備していたから、大急ぎで大通りまで走っていってタクシーを捕まえ、空港まで大急ぎでと頼んだ。正式名称が板付なのか福岡なのかよく分からないのだけど、とにかく福岡の空港から成田へ国内便で行って、そこからカナダへ行く手はずなのだ。団体旅行であるから、ひとりでも遅れれば大騒ぎである。

                ああやばい、これはカナダには行けないんじゃないかとタクシー内で気をもんでいたのだけど、なんとかぎりぎり間に合った。飛行機も旅行会社の添乗員も、空港職員も私のことを待っていた模様である。携帯で連絡は取れていたから待っていてくれたらしいのだけど、旅の最初から大迷惑をかけてしまった。

                ・・・

                実はこの時点では、私はその大学に就職したばかりで、親しい人は研究所の美人事務員しかいなかった。他の人々は、ほとんど他の部署の人で研究者というか先生という立場のひとは私だけだった。みなさん事務員関係だった。なぜそんな旅行に私が参加したかというと、本来40万円くらいかかる旅行費の半額を大学側が負担してくれるということだったし、海外旅行なんてしたことがなかったし、研究所の女性事務員が美人だったからである。

                朝のドタバタはなんとかなったけれど、カナダまでの道のりは遠い。飛行機でも15時間かそれ以上かかった。ヘビースモーカーのピンちゃんはいらいらしていたのだけど、飛行機内が消灯する時間帯になって、同行していた事務のおじさんが話しかけてきた。お酒、好きかい? もちろん大好きなので、飲みますよと応えたら、スチュワードにお酒を頼もうということになった。

                そこから機内大宴会である(笑)。当時の私は30代そこそこで、欧米人から見れば20歳くらいに見えたかもしれない。そんな若造が何度も何度も more please とか言って水割りのお代わりを頼みにいったもんだから、スチュワードの禿のおっさんも胡散臭げに私のことを見ていた。

                そのときに気付いたのだけど、欧米人というのは、非常にアバウトな人々であった。お酒の注ぎ方とか、水がこぼれたりしても気にしない。胡散臭げな目で私を見ながら(こんな子供がなぜ頻繁にお酒をお代わりするんだ、みたいな)、バシャバシャ注いでいる。君は知らんだろうが、私は30歳の物理学者でお酒が大好きなのだ──と、言いたいような気がしたけど、やめておいた。

                機内でみんながねている間中飲んでいたくらいだから、その後も推して知るべし。一週間の旅行中、私は大酒のみの大学職員たちと飲みまくっていたのだ。

                一応、カナダのどこを回ったか報告しておきたいのだけど、よく憶えていない(笑)。添乗員さんみたいな女性が、氷河のことを「グレイシアー」とか言っていたことと、ナイアガラの滝が意外にきたなかったこと、大橋巨泉の店でカウチンセーターを買ったことくらいしか憶えていない。たしか、バンフという土地にも一泊したと思う。

                若い添乗員の女性と話したとき、プリンスエドワード島の話題になったから『赤毛のアン』の話をしてみたら、驚いたことに読んでないとのこと。なぜ読んでないんだろうと不思議に思ったけど、世の中には『赤毛のアン』すら読まないでカナダで添乗員のバイトをしている女性も存在するのだ。

                別の日には、年配女性の添乗員と酒鬼薔薇君の話になった。遠いカナダでもある程度は話題になっていたらしい。年配の女性添乗員は「彼はとても頭のいい少年ですね」と言った。私はネットで知った彼の噂について説明しておいた。年配女性は、私の話を聞いて、ああ、そうなんだ的な反応であった。

                ・・・

                まあ、大した話ではないのだけど、その後に回った観光地などでもガイドの日本人女性と話をした。あの湖が緑色なのはプリズム効果で云々とかいうから、ああ、正確に言うとレイリー散乱というのです。これは弾性散乱で、非弾性散乱をラマン効果といいます。とかなんとか、偉そうに講釈していた。嫌な客である。初めての海外旅行で緊張していたんだと思う。

                いよいよ最後の日の朝、ホテルのレストランで添乗員さんが奮闘していた。カナダのホテルの従業員に、

                I'm helping you up!

                と言っていたのがなぜか記憶に残っている。実際、添乗員さんは一生懸命朝の給餌を手伝っていたのだけど、昨晩のお酒が残っていたようにも思えた(笑)。実際、日本へ帰る機内でも、ちょうどここが植村直己さんが行方不明になったマッキンリーですとか、機内の重量バランスを崩すようなことを平気で言っていた。同行していた事務とか学食のおばちゃんたちがいっきに片方に寄っていたし。

                というようなことで、私の生まれて初めての海外旅行は無事終了した。おお、意外と英語通じるじゃんということと、カナダではトイレのことをウオッシュ・ルームというらしいという、どうでもいい知識を身につけて帰国したのだった。
                | エッセイ | 00:00 | comments(3) | trackbacks(0) |
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