2007.05.30 Wednesday
草しげるそこは死人を焼くところ
午前4時45分起床。快晴。夏近し。
ピンポーン、ピポピポピポ、ピンポーン♪
寝ぼけ眼で目覚し時計を引き寄せると、5時前である。よくわからないまま玄関までいきドアを開けるとK山さんが立っている。警備員の先輩で、なおかつ高校の大先輩でもある。さらに高校時代の恩師のご子息でもある。
「そろそろ起きないと間に合わない時間だぞ」
「はあ」
そうピンちゃんが答えると、K山さんは無言のまま何処ともなく去っていった。昨日今日の峠現場は警備員7人なんだけど、この現場のアタマがK山さん。そして、この現場は事務所に6時集合のはずなのです。5時前はちと早すぎる。
なんだかよくわからないけど、いつもより少し早めの5時40分に事務所に行くと、はたしてK山さんがいた。
「おはようございます」
「おお」
「・・・」
まあいいか、そう思い他のメンバーが来るのを待っていると──
「いやー、まいった」
「・・・」
「事務所について何気に(本当に何気にといった、50代の癖に・笑)時計見たら5時前よ」
「・・・」
「1時間勘違いしてた。まさか、お前の部屋に戻って言い訳するわけにもいかなくてよ」
「はあ(笑)」
・・・
『向田邦子 映画の手帖』読了。タイトルから判るとおり、向田さんの死後編纂されたものです。昭和20年代後半から30年代まで、向田さんが映画雑誌の編集者だった頃、雑誌『映画ストーリー』に書いた編集後記が中心です。
ピンちゃんは小説もエッセイも、映画も好きだけど、どれも日本のものを贔屓にしてきました。それがなぜか自分でもよくわからなかったのだけど、この本を読んで判った気がしました。やはり、日本語に、日本の戦後史に興味があるのです。
昔の邦画を観ると、その時代の世相が生き生きと描かれているし、小説、エッセイもしかり。特に、昔のひとびとの話し言葉がわかるのがうれしい。しかも、当時の生活状況は歴史そのもので興味は尽きない。
夏彦翁は、向田さんのエッセイを評して「突然現れてほとんど名人である」と言ったけれど、『映画の手帖』を読めば、突然現れたわけではないことがわかる。夏彦翁は『銀座百店』で知ったから「突然」だったのでしょう。
ピンちゃんは向田ファンを自認しているけれど、『映画の手帖』で、それまで知らなかった向田さんのことをいろいろ知りました。未読の方はぜひに。ぜひに。
ピンポーン、ピポピポピポ、ピンポーン♪
寝ぼけ眼で目覚し時計を引き寄せると、5時前である。よくわからないまま玄関までいきドアを開けるとK山さんが立っている。警備員の先輩で、なおかつ高校の大先輩でもある。さらに高校時代の恩師のご子息でもある。
「そろそろ起きないと間に合わない時間だぞ」
「はあ」
そうピンちゃんが答えると、K山さんは無言のまま何処ともなく去っていった。昨日今日の峠現場は警備員7人なんだけど、この現場のアタマがK山さん。そして、この現場は事務所に6時集合のはずなのです。5時前はちと早すぎる。
なんだかよくわからないけど、いつもより少し早めの5時40分に事務所に行くと、はたしてK山さんがいた。
「おはようございます」
「おお」
「・・・」
まあいいか、そう思い他のメンバーが来るのを待っていると──
「いやー、まいった」
「・・・」
「事務所について何気に(本当に何気にといった、50代の癖に・笑)時計見たら5時前よ」
「・・・」
「1時間勘違いしてた。まさか、お前の部屋に戻って言い訳するわけにもいかなくてよ」
「はあ(笑)」
・・・
『向田邦子 映画の手帖』読了。タイトルから判るとおり、向田さんの死後編纂されたものです。昭和20年代後半から30年代まで、向田さんが映画雑誌の編集者だった頃、雑誌『映画ストーリー』に書いた編集後記が中心です。
ピンちゃんは小説もエッセイも、映画も好きだけど、どれも日本のものを贔屓にしてきました。それがなぜか自分でもよくわからなかったのだけど、この本を読んで判った気がしました。やはり、日本語に、日本の戦後史に興味があるのです。
昔の邦画を観ると、その時代の世相が生き生きと描かれているし、小説、エッセイもしかり。特に、昔のひとびとの話し言葉がわかるのがうれしい。しかも、当時の生活状況は歴史そのもので興味は尽きない。
夏彦翁は、向田さんのエッセイを評して「突然現れてほとんど名人である」と言ったけれど、『映画の手帖』を読めば、突然現れたわけではないことがわかる。夏彦翁は『銀座百店』で知ったから「突然」だったのでしょう。
ピンちゃんは向田ファンを自認しているけれど、『映画の手帖』で、それまで知らなかった向田さんのことをいろいろ知りました。未読の方はぜひに。ぜひに。