ピンちゃんの赤貧日記

明日は明日の風が吹く
草しげるそこは死人を焼くところ
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    午前4時45分起床。快晴。夏近し。

    ピンポーン、ピポピポピポ、ピンポーン♪

    寝ぼけ眼で目覚し時計を引き寄せると、5時前である。よくわからないまま玄関までいきドアを開けるとK山さんが立っている。警備員の先輩で、なおかつ高校の大先輩でもある。さらに高校時代の恩師のご子息でもある。

    「そろそろ起きないと間に合わない時間だぞ」

    「はあ」

    そうピンちゃんが答えると、K山さんは無言のまま何処ともなく去っていった。昨日今日の峠現場は警備員7人なんだけど、この現場のアタマがK山さん。そして、この現場は事務所に6時集合のはずなのです。5時前はちと早すぎる。

    なんだかよくわからないけど、いつもより少し早めの5時40分に事務所に行くと、はたしてK山さんがいた。

    「おはようございます」

    「おお」

    「・・・」

    まあいいか、そう思い他のメンバーが来るのを待っていると──

    「いやー、まいった」

    「・・・」

    「事務所について何気に(本当に何気にといった、50代の癖に・笑)時計見たら5時前よ」

    「・・・」

    「1時間勘違いしてた。まさか、お前の部屋に戻って言い訳するわけにもいかなくてよ」

    「はあ(笑)」

    ・・・

    『向田邦子 映画の手帖』読了。タイトルから判るとおり、向田さんの死後編纂されたものです。昭和20年代後半から30年代まで、向田さんが映画雑誌の編集者だった頃、雑誌『映画ストーリー』に書いた編集後記が中心です。

    ピンちゃんは小説もエッセイも、映画も好きだけど、どれも日本のものを贔屓にしてきました。それがなぜか自分でもよくわからなかったのだけど、この本を読んで判った気がしました。やはり、日本語に、日本の戦後史に興味があるのです。

    昔の邦画を観ると、その時代の世相が生き生きと描かれているし、小説、エッセイもしかり。特に、昔のひとびとの話し言葉がわかるのがうれしい。しかも、当時の生活状況は歴史そのもので興味は尽きない。

    夏彦翁は、向田さんのエッセイを評して「突然現れてほとんど名人である」と言ったけれど、『映画の手帖』を読めば、突然現れたわけではないことがわかる。夏彦翁は『銀座百店』で知ったから「突然」だったのでしょう。

    ピンちゃんは向田ファンを自認しているけれど、『映画の手帖』で、それまで知らなかった向田さんのことをいろいろ知りました。未読の方はぜひに。ぜひに。
    | - | 22:45 | comments(0) | trackbacks(0) |
    突き抜ける空の青さの悲しみに
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      午前5時起床。快晴。

      今日もよい天気。お金がなくてほとんどお酒を飲めないので、目覚めが爽やかで困ってしまう(笑)。今日は久しぶりに峠道現場。財政破綻で一躍有名になった夕張市を通り抜けるとき、新緑が目に鮮やかに映る。住んでいるひとたちは大変なのだろうけど、通りすがりの人間にとっては、すばらしい自然ばかりが目に入る。

      夕張の真上にある空の青さに見とれるピンちゃんもいれば、悲しい涙を流すひともいるに違いない。

      ・・・

      北杜夫さんは躁になると居ても立ってもいられなくなり、酔っては「犯すぞ!」と叫んでみたり、出版社からウン千万円も前借りして株ですべてすってしまい破産したり、大変な狂乱状態になってしまうそうです。

      北杜夫大先生と比べるのはおこがましいけれど、最近のピンちゃんは軽い躁状態が続いてます。このお金を使うと明らかに困ると判っていても、なぜだか飲みに出てしまう。北先生ウン千万、ピンちゃんは会社から3万前借り(笑)。スケールは違いすぎるけど、やむにやまれぬ勢いが止まらないという点では同じです。

      躁期の特徴といえば、大言壮語もある。ピンちゃんの場合、大法螺を吹くというより、普段なら絶対言わないことを口走ってしまう。今までは会社でも飲み屋でも経歴に関することはひた隠しにしていたのに、店の女の子相手に「もとは大学の先生だったんだ」「例えばおしっこって英語で何ていうかわかる?」「もう生きてるのがめんどうになった」「でも、母親が死ぬまでは死ねない」等々、馬鹿丸出しな事をいいまくったり。

      しかも翌朝大して落ち込まない。普通なら「もう酒は飲まない」と何千回目かの無駄な後悔をするところなのに。

      ・・・

      深刻に考え出せば、現在のピンちゃんの状況だって十分に悲惨だ。ワーキングプアで将来の展望なんて皆無だし、40代突入だし、独身で恋人だっていない。もちろん貯金なんてないどころかマイナスだし。けれど、ピンちゃんは躁期だからして気分ははつらつとしている。

      風薫る五月に、新緑を見て心から美しいなと思いながらワゴン車のハンドルを操り、これで今日も運転手当て千円ゲットだと喜んでいる(笑)。

      ・・・

      政治家として、歌手として、他人もうらやむ地位にまで上り詰めたふたりの訃報に接し、改めて幸福とはなにかと考えてしまうピンちゃんなのだった。

      ふたりが最後に見た青空は、いつだっただろう?
      | - | 21:26 | comments(0) | trackbacks(0) |
      鎮魂歌が聴こえる丘
      0
        午後1時過ぎ起床。はれ。

        昨晩は飲みすぎたようだ。人間に似た別の生物に半分くらい変身しかけている頃『パイレーツ・オブ・カリビアン』の後半だけ観た。予想より面白いんだね。あと、別番組だけど中村中さんの歌声を聴く。いい歌を歌ってると思うけど、メジャーになるのは厳しいかも。

        ・・・

        午後3時半頃会社へ。昨日働いた分の日報を持参するため──というよりも、前借りを申し込むため(笑)。今週末に3万円振り込まれ、来月の給料から天引きされるというシステム。はあ、今月の収入は10万円くらいだから、実質来月の給料は7万円ですか。困ったものです。

        ホワイトボードをチェックすると明日は出番になっていた。ラッキー。今日の時点で14勤目/28。まあ、小さい事からコツコツと働きますか。スタンドにより給油し、普通ならそのまま帰宅のところイオンまで足を伸ばす。なんとなくぶらつきたかったのだ。

        イオンの中はとても広くて暇つぶしにはちょうどよい。ぶらつくコースはいつも決まっている。本屋で小説を中心に新刊や文庫落ちをチェック、シネマコンプレックスで上映中、上映予定の作品をチェック。なのに、ここの映画館で観たことは1度もない(笑)。最後にスーパー。

        全財産が千円札1枚と小銭少々だから買い物はしない。というかできない。9種18品のオデン398円に激しく魂を奪われたけど、ぐっとがまんするピンちゃんなのだった。

        ・・・

        森雅裕さんという作家がいます。『モーツァルトは子守り唄を歌わない』で乱歩賞を受賞したから、ミステリ好きなら名前くらいは知っていると思います。しかしながら、『いつまでも折にふれて/さらば六弦の天使』を読んだ人はまれでしょう。森さんはかなり意固地な人で、作らなくてもよい敵を作ってしまいがちです。だから、実力を惜しまれながらも寡作なのです。

        森さんがどういう性格か知りたい人には『推理小説常習犯』がお奨め。読むとちょっと驚くと思います。

        唐突に森雅裕さんの話題を出したのは、ZARDの坂井泉水さんが亡くなったのを知ったからです。上述の『いつまでも折にふれて/さらば六弦の天使』の主人公錺深泉(かざりいづみ)は、まさに坂井泉水さんがモデルです。昔引っ越す際に手放したことが悔やまれる一冊となりました。
        | - | 20:52 | comments(0) | trackbacks(0) |
        【号外】 アクセス障害情報
        0
          さるさる日記の第3サーバが落ちているそうです。

          「ピンちゃんの赤貧日記」は別サーバらしく問題ありませんが、他の日記のいくつかが現時点(21:54)でもアクセス不能らしい。第3サーバはアクセス数が多い日記専用らしく、ピンちゃんもよく覗いている日記のいくつかが見られないので不審に思っていました。

          全日空の発券システムが大混乱ですが、関係があるのかどうかは不明です。

          追伸:
          自分では「赤貧日記」を書けるし読めるので障害はないと思っていましたが、ひとによってはアクセスできないみたいです。
          | - | 21:54 | comments(0) | trackbacks(0) |
          焼酎こわい ついでにお金と女性はもっとこわい
          0
            午前7時起床。小雨のちくもり。

            昨晩は途中で焼酎がなくなり、目覚ましが鳴る前に起床。ぐっすり眠ったけど物足りない。初めて見たんだけど、日曜早朝の戦隊モノって面白いですね。敵も味方も女の子はめんこいし、何より主役の若い男性がみんなイケメンではないですか。

            きっと子供といっしょに見ている若奥様のほうが喜んでいるに違いない(笑)。

            ・・・

            仕事はつつがなく終了。帰りの車中で急に所用を思い出したので実家に寄ることに。午後7時前で薄暮れ時だった。母は不在。仕事なんだろう。仕方ないから合鍵で勝手に入ろうとすると、もともと渋かった鍵が以前にもまして開けづらくなっている。

            5分ほどガチャガチャしても開かない。これではまるで怪しいひとではないか。その証拠に、突然横から声をかけられた。

            「○○ちゃんかい?」

            同級生K平君のお母さんである。母とも仲がいいからピンちゃんの下の名前で呼んでるし。

            「はい、なんか鍵が開かないんですよ、お母さんどこにいるか知ってます?」

            などと普通に話していると、道を挟んで向かい側に住んでいるおじいちゃんまで出てきた。

            「○○さんかい?」

            このおじいちゃんは刑事を退職してから向かい側に家を建てて住みだしたから、ピンちゃんのことをあまり知らないのだ。

            仕事帰だから昨日今日いっしょに働いたK藤さんを車の中で待たせているし、これ以上時間はかけられない。不信人物として騒ぎになるのも嫌なので、所用は途中で諦めたピンちゃんなのだった。

            所用が何かといえば、学生時代の卒業アルバムを取りに寄ったのである。I瀬さんの中学時代の顔って、本当にピンちゃんのイメージ通りだったか確かめたくて。

            ・・・

            というのは全くの嘘なのである。実は、実家にはピンちゃんが帰省した時に飲む安焼酎のストックがいくらかあったような気がして、それを持ち帰ろうとしていたのだった。せこい。貴様それでも軍人か!武士なら腹を切れ!!と言われてしまいそうなほどせこいピンちゃんなのだった(笑)。

            ・・・

            ことの次第を全て見聞きしてしまったK藤さんが哀れんだのだろう、

            「少しだけど焼酎残っているからあげるよ」

            「そんなー、いいっすよ」

            もちろん欲しいのである。結局貰ってしまった。1/6ほど残った4リットル焼酎である。K藤さんありがとう。それを飲みながらこの日記を書いているピンちゃんなのである。
            | - | 21:07 | comments(0) | trackbacks(0) |
            食べるものはあって酔うものもあって雑草の雨
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              午前8時半起床。くもりのち雨。

              寝坊ではない。今日は11:00〜18:00という中途半端な仕事時間なのです。仕事自体はそれ程難しくないので今日もつつがなく終了。途中一度だけ頭のおかしい人に怒鳴られたけど(笑)。また運転手当て千円ゲット。にしても、13勤目/26かあ。出勤率50%、苦しいなあ。

              事務所へ寄ってからガソリンスタンドで給油。すると小中時代の同級生のI瀬さんから携帯。

              「もしもし」

              「ピンくん、この前はごちそうさまでした」

              「いえいえ」

              「この前のこと、憶えてる?」

              「・・・」

              「ほら、キトビロパーティするって・・・」

              「ああ、なんとなく」

              「いまやってるんだけど、前と同じメンバーで」

              「・・・明日、用事があるんだよねえ」

              「そう、わかった」

              「じゃあ」

              明日仕事で都合が悪いってのは嘘じゃないけど、そもそもお金がなくて飲みになんて金輪際行けないから。ああ、こんな状態が25日も続くなんて拷問だ。

              更に携帯には、某店のママ、他の店の女の子ふたりからメール。皆さん親切なのでお店に誘ってくれる(笑)。

              ・・・

              歴史を旅する会編『幕末テロリスト列伝』読了。

              テロリストとして登場する人物を列挙してみます。

              岡田以蔵、田中新兵衛、中村半次郎、河上彦斎、土方歳三、沖田総司、清川八郎。

              逆にテロリストに殺害された人物は、

              佐久間象山、芹沢鴨、井伊直弼、原市之進、大久保利通、坂本龍馬など。

              これだけでもわくわくしてきますね。
              | - | 21:45 | comments(0) | trackbacks(0) |
              世界中が滅んでしまえ
              0
                暇なもんだから2ちゃんのN速+を眺めていると、相変わらずひどい事件が多い。

                ■「怒り通り過ぎ失笑」 本村さん会見
                http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200705250069.html

                上の記事だけ読むとどれくらい酷い事件かわからないけど、事件概要は以下のとおり。

                作業着で水道屋を装って屋内に侵入し、強姦しようとするも騒がれたので被害者女性を絞殺。その後死姦。さらに横で泣き叫んでいる嬰児(11ヶ月)も床に叩きつけたあと絞殺。

                こんな奴を弁護するのは、仕事とはいえ大変だろうなと同情していたらさにあらず。被告の弁護士は国選ではない。しかも21人の弁護団を編成している。事件の内容もひどいけれど、彼らの主張もすごすぎます。

                ・「強姦目的じゃなく、優しくしてもらいたいという甘えの気持ちで抱きついた」
                ・「(夕夏ちゃんを殺そうとしたのではなく)泣き止ますために首に蝶々結びしただけ」
                ・「(検察は)被告を極悪非道の殺人者に仕立て上げ、死刑にしようとしている」

                弁護士の職務は「<b>良心に従い</b>、依頼者の権利及び正当な利益を実現するように努める」ことであると思うけど、この弁護団は、恐らく良心には従っていない。どうやら「死刑廃止」という自らのイデオロギーのためなら何でも利用しているだけっぽい。

                弁護士も人間であるからして、いろいろな考えを持っていていいけれど、下の文章を読んでどう思うかしら?

                ■ブレイディの教訓 少年よ、人権派に触るな
                http://kaz1910032-hp.hp.infoseek.co.jp/121014.html

                こういう問題のとき「人権派」弁護士に向かって「自分の家族が殺されても……」という批判をすることに関してピンちゃんはやや慎重な立場だけど、それにしても今回の弁護団は酷すぎる。

                ・・・

                何となく落ち込みながら永山則夫のことを思い出した。『無知の涙』が特に有名な文筆家だけど、4人を銃殺した殺人者でもあった。永山の生い立ちについて興味があるひとはウィキペディアで調べてください。なかなかよくまとまっています。

                永山の不幸な少年時代には同情するけれど、4人も殺した事実は消えない。

                最高裁が、

                「家庭環境の劣悪さは確かに同情に値するが、彼の兄弟たちは凶悪犯罪を犯していない。」

                として、死刑判決をだしたのは当然だと思う。ピンちゃんも同感なのである。
                | - | 21:38 | comments(0) | trackbacks(0) |
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