ピンちゃんの赤貧日記

明日は明日の風が吹く
<< 妄想天国の乱 2017 | main | テンノウタンジョウビ >>
『量子力学を学ぶための解析力学入門』高橋康著
0
    量子力学を学ぶための解析力学入門
    高橋 康 講談社 売り上げランキング: 605,401


    三週間近くかかりましたが、ようやく読み終わりました。高橋康先生の教科書は何冊かもっていますが、最後まできちんと読んだのは本書だけかもしれません。しかも、大学生時代に最低でも1回、おそらく2回くらい読んでいて、今回で3回目になると思います。

    なぜ本書に限ってそんなに読んでいるかというと、本文だけなら90頁ほどしかない薄い教科書だからです。にもかかわらず、全体的な理解度としては6〜7割くらいかなあ。意外に難しかったです。本文だけなら8割くらいの理解度だと思うのだけど、演習問題と付録が難しいのです。

    先に目次を紹介して、少し個別の感想を先に書いておきます。


    量子力学をこれから学ぶ人への助言
    第犠 Euler-Lagrange および Hamilton の方程式
    第蕎 Hamilton の原理(変分原理)
    第珪 正準形式の理論
    第絃 正準変換
    第江 Poisson の括弧
    第詐 位相空間
    付録
    A. Lagrange の未定乗数報
    B. Legendre 変換
    C. 不変性と保存則
    D. 場の理論への拡張
    演習問題略解
    参考文献
    あとがき

    高橋康先生の教科書の特徴は、まずは本論第犠呂貌る前にあります。わざわざ第0章と書いてある場合もあるくらいで、このまえがき部分がけっこう長い。内容はぼやきであったり世間話もまじったりするのだけど、本書の序は「量子力学の初歩的なことを理解するために必要な、最小限度の解析力学をまとめたのが本書である」と、まずは本書の性格についてズバリ言及してはじまっています。

    「量子力学をこれから学ぶ人への助言」は本文90頁ほどの本書で12頁も割くという念の入れよう。ここで、量子力学の勉強をするために必要な古典力学の知識は、1冊の本にするには足りないが、別の本の付録にするには長すぎる程度であるというありがたいお話があります。こういう重要なお話はどんどんしていただきたいですね(笑)。

    あとは量子力学を学ぶために必要な知識としてどのようなものがあるかについていろいろ書いてあるのだけど、それについては実際に購入して読んでいただきたいと思います。

    で、第犠呂任魯縫紂璽肇鷏措阿犯罎戮謄イラー・ラグランジュ形式にはどんな利点があるのかについて説明されております。例として直交座標系から極座標へ運動方程式を書き変えているのだけど、実際に計算してみるとこれが大変です。まあ、物理学徒であれば一生になんどかはやるべき計算なので、まだやったことがないひとはちょうどいい機会なので実際に計算してみることをお勧めします。

    第蕎呂任郎醉兩冓を変分してオイラー・ラグランジュ方程式を導き出すという標準的な説明が続きます。第珪呂妊薀哀薀鵐献絅▲鵑鬟襯献礇鵐疋詈儡垢靴謄魯潺襯肇縫▲鵑鯆蟲舛垢襪函△修離魯潺襯肇縫▲鵑正準方程式を満たしているという話。第絃呂妊魯潺襯肇鵑寮欺猜程式も変分原理から導くことができることが示され、オイラー・ラグランジュ方程式との違いなどについて説明してあります。

    第犠呂らラグランジュアンの不定性(任意性)についての言及があったのですが、ハミルトニアンでも同様な不定性があり、変換の母関数の重要性について取り上げられています。正準変換と母関数、保存量の関係など重要な話が出てきます。第江呂妊櫂▲愁鶻膰未力辰砲覆蠅泙垢、古典力学の方が量子力学より少し定義が複雑です。ここでようやく量子力学との係わりがおぼろげに見えてきます。

    最後の第詐呂任楼盟蟠間について簡単に触れられていますが、これは全く触れないのもまずいかなという程度で簡単に終わってしまいます。以上90頁ほどなのですが、本文だけならそれほど難しくはないと思います。難しいのは主に付録と演習問題です。

    ここで付録に時間をかけても無駄な気がしたので、私は軽く目を通して読了ということになりました。私の印象では、実際に量子力学の勉強をしてからもう一度本書に戻ってきてよく分からなかった点について考え直した方が効率的だと判断しました。

    ・・・

    あとがきによれば、本書を読んで話の筋が分かったと思ったら、特に第江呂離櫂▲愁鶻膰未竜掴世抵抗なく理解できたと思ったらば、量子力学を勉強するための古典力学の知識としてはまあ大丈夫だろうとのこと。わたしもぎりぎり合格ということにして次に進みたいと思っています。
    | 科学全般 | 00:00 | comments(0) | trackbacks(0) |
    コメント
    コメントする









    この記事のトラックバックURL
    http://sekihin.jugem.jp/trackback/6134
    トラックバック
    CALENDAR
    S M T W T F S
    1234567
    891011121314
    15161718192021
    22232425262728
    293031    
    << July 2018 >>
    RECOMMEND
    RECOMMEND
    RECOMMEND
    RECOMMEND
    RECOMMEND
    SELECTED ENTRIES
    CATEGORIES
    RECENT COMMENT
    ARCHIVES
    モバイル
    qrcode
    LINKS
    PROFILE