ピンちゃんの赤貧日記

明日は明日の風が吹く
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【ゴルゴ13】第1巻 ビッグ・セイフ作戦
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    最初に「ゴルゴ13」シリーズを全巻集めようと思い立ったのはかなり前で、リイド社のコンパクト版(黒表紙)がいいと判断した。途中でお金がなくてタバコ代の為にブックオフに売り払ったりしたこともあったのだけど、こんどこそと決意している。

    前に兄貴が来たときもブックオフに連れて行ってもらい少し買い足したのだけど、実は全巻そろったものも売っていた。1〜151巻、ゴルゴ「出生の秘密」2巻。全153巻で値札は25000円になっていた。更に3割引きの札も貼っていたから17500円で買えたらしい。

    兄貴の目がなかったら買ったかもしれないけど、さすがに気が引けてしまった。ただでさえ治療費がかかってるのに、漫画に2万円近くはちょっとね。まあ、体がそれなりに動く間にちょくちょくブックオフに通い、少しづつ買い集めるのもいいだろう。

    1、2、12〜16、19〜21、58〜70、91〜100、102〜104、106〜108、「出生の秘密」2巻

    かなりとびとびだけど、現在ピンちゃんが集めたのは上にある通りで全44巻。44/153だからもう少しで3割というところです。先は長いけど、楽しみながら集めるとしましょう。

    ・・・

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    ということで、せっかく記念すべき第1巻が手元にあるので、まずはこれの感想を書いておいたほうがいいなと思いついたので書くことにした。

    【第1話/ビッグ・セイフ作戦】
    【第2話/デロスの咆哮】
    【第3話/薔薇と狼の倒錯】
    【第4話/色あせた紋章】

    さて、ゴルゴ13の連載が始まったのは1968年。東西冷戦華やかかりしころで、アメリカではベトナム戦争の泥沼に足を取られてるさ中、どさくさ紛れにキング牧師が暗殺され、アフリカではビアフラ戦争の影響で多くの人々が餓死し、東欧ではプラハの春が踏み潰されていた。お隣中国では文化大革命の大混乱。

    日本では東大紛争の火種がくすぶり始める中、マラソンの円谷幸吉選手が自殺し、日本初の心臓移植手術が行われ、川端康成が日本人で初のノーベル文学賞を受賞し、3億円事件が世間を驚かせた。ピンちゃんの父親が一酸化炭素中毒で植物人間になったのもこの年である。

    ──というような激動の世界情勢の中ゴルゴ13の連載ははじまるのだけど、初期の頃は我々が漠然とイメージしているゴルゴとはキャラクタ設定がかなり異なる。



    第1話はハンブルグの売春宿の朝からはじまるのだけど、昨夜の出来事などを反芻しているのかゴルゴはパンツ一丁で窓の外を眺めている。目を覚ました娼婦が脅かしてやれとこっそりゴルゴの後ろに近づくと、振り向きざまに殴り倒してしまうゴルゴ。おいおい、幾らなんでもそれはないだろ。

    更に、駆けつけた売春宿の用心棒と乱闘になったあげく、道路に飛び出したところを通りかかった警官隊に逮捕されてしまう始末。いや、ひょっとしてこれも計画のうちかと思ったら、どうやら本人も予期していない出来事で単に逮捕されただけだったらしい。

    後に世界中の裏世界の住人から恐れられる超一流スナイパーも、駆けだしのころはけっこうマヌケだったのだ。思うに、最初のうちはゴルゴの人物設定もかなりあやふやだったのではあるまいか。

    なにしろ見開きの扉頁などを含むとはいえ、「背後に黙って近づく者に対して、反射的に攻撃する」(@すぎもり・まさたけ)というプロの習性を描くために14ページも使ってる。しかも殴った相手がただの娼婦という半分ギャグ漫画みたいな始まり方をしているのだ。

    だがしかし、連載初回ということであるから少しくらいは大目に見よう。まずは主人公ゴルゴの特徴などを紹介しないといけないから、つい余計な描写に手間取ってしまっただけであろう。実際、このあとゴルゴが使っている武器が「アーマライトM16を高性能狙撃用に改良したもの」であるとか、娼婦を殴って刑務所に入れられたときは一言もしゃべらず頑張ったなどの情報が付け加えられたりしてる。

    当然、ゴルゴ13の由来についても強引に語られている。刑務所での囚人たちの話として、
    囚人たちはこの男にゴルゴ13という名まえをつけた……
    13は男の番号が1214号であったからきていると思うが、
    ゴルゴとは何を意味しているものかわからん!!

    主を裏切ってイバラの冠をかぶせ
    ゴルゴダの丘で十字架にかけた13番目の男
    ということかもしれんな………

    ──と語っているのは英国諜報部の偉いひとだけど、ピンちゃんとしてはむしろ、なぜ囚人番号が1214なら13なのかがよく分からない。たぶん、そんなに深い考えはなかったであろう。

    あと、初回に明らかにされているゴルゴの人となりとしては、証拠はないが既に多くの要人暗殺を行ってきたらしいこと、仕事をオファーされても相手をすぐには信用せず、かなり用心深く接触すること、その際にどうやって依頼主のアジトまでつけてきたのか自分からべらべら喋る男であることがわかる。

    依頼内容を聞くとき背中を壁に着けた姿勢というのは初回からであり、報酬は全額前金。前金を受け取る際に「領収書はいらないだろうね?」などと軽薄なジョークを飛ばしたりする。ホテルに宿泊する際はまず部屋の中をチェックし、狙撃に使う武器はばらばらにして小包でホテルの部屋に送っておく。

    更に付け加えれば、予定外の事態には素早く対応し人殺しは躊躇しない。請け負った仕事は厳守するが、余計なついで仕事は断る。

    第1話から、ゴルゴのひととなりとしては、だいたい上に挙げたようなことが確認できる。全体的に思っていたより口が軽い人物で驚いてしまうのだが。

    ・・・

    さて、実際の仕事の依頼内容というのは、元ナチ親衛隊長のベルンハルト・ミューラーという人物の殺害である。整形手術で顔を変えスイスのチューリッヒに隠れ住んでいる。終戦と同時に莫大な数の宝石とともに姿を消し、大金持ちなのでプロのボディガードを10人近く雇っている。最近イスラエルのナチ戦犯調査機関がベルンハルトの居場所に気づいた形跡がある。

    どういう訳かイギリス政府としては、ミューラーがイスラエルに生け捕りにされる事態は避けたいらしい。

    (イスラエルのモサドが南米に隠れていたアドルフ・アイヒマンを見つけ出し逮捕連行して世界を驚かせたのが1960年であるから、1968年当時としては、この手の設定はそれほど奇抜なものではなかったと思われる)

    ということでゴルゴに殺しを依頼し、しかも、仕事が手はず通りすすんだら(ミューラーを殺したら)ゴルゴを殺してしまおうというのがイギリス諜報部の作戦である。はてさて、幾ら若くて間抜けなゴルゴとはいえ、そこまで都合よくいくかどうか、、、

    ということで、記念すべきゴルゴ13の第1話「ビッグ・セイフ作戦」の結末は読んでからのお楽しみなのである。

    ・・・

    それにしても、ナチの親衛隊長とかイスラエルとかいうのは、1968年頃なら最先端の設定なのでしょうね。ゴルゴ13は、当時すでに日本でも話題になっていた007シリーズをかなり参考にしていると思われるので、1968年までに公開されていた007シリーズについてもメモしておきます。

    1963:007 ドクター・ノオ(007は殺しの番号)
    1964:007 ロシアより愛をこめて(007危機一髪)
    1965:007 ゴールドフィンガー
    1965:007 サンダーボール作戦
    1967:007は2度死ぬ
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