2016.07.24 Sunday
『鳥越俊太郎「女子大生淫行」疑惑』を読んでみた
文春や新潮を買わなくなって久しいのだけど、ネットで散発的に見かける鳥越批判だけでは全容が分からない。なので、文春の当該記事を読んでみないことにははじまらないと判断し、400円だして購入してきた。
世の中には、記事の内容は気になるけどそれだけのために週刊誌を買うのはもったいない、と思う人もいるであろう。そこで、不肖わたくしが内容をご紹介しようと思い立った次第である。
・・・
記事は当該号22〜25頁で、分量としてはそれほど多いものではない。最初の見開きページの上半分は写真と特大活字で埋められているから、実質的な記事は三ページ分である。タイトルは、
『鳥越俊太郎「女子大生淫行」疑惑』
で、サブタイトルは「被害女性の夫が怒りの告白!」となっている。
まず、登場人物を紹介しておけば、
鳥越俊太郎(76):1940年生まれ
永井一晃(仮名・30代後半)
A子さん(2002年当時大学二年生)
淫行疑惑事件が起こったのが2002年──14年前の出来事であり、鳥越氏は当時62才。還暦過ぎである。
・・・
記事の書き出しは文春編集部のいい訳から始まる。この時期に記事化することで都知事選になんらかの影響を与える懸念はあるが、公益性に鑑み決断した云々という意味のことが書いてある。記事の本筋とは関係ないので省略。で、そもそも都知事選の取材をする過程で鳥越氏の醜聞を知り記事にするに至ったとも書いてある。
続いて鳥越氏がかなりの女好きであるらしいという証言が幾つか載っている。まあ、この辺もどうでもよい。
ただし、鳥越氏が名をあげるきっかけになったのがサンデー毎日編集長時代にスクープした「宇野首相愛人問題」であったことは記憶しておいた方がいいと思われる。当時は「三つ指愛人問題」などとも言われたけれど、これは宇野元首相が芸者の指を三本握って、これでどうだ(月30万円の意)などとせまったという生々しい話が出てきたからだったと記憶している。
・・・
さて、2002年に鳥越氏の行った淫行疑惑とはどんなものか。絶対匿名を条件に有名私立大学関係者が語ったところによれば、、、
「鳥越氏は、十数年前、ウチの大学によく来ていました。あるメディア関係の教授と親しかった関係で、その教授のゼミなどを訪れて、学生たちとも交流をもっていたんです」
「特にマスコミ志望の学生などは鳥越さんを慕っていたし、鳥越さんもよく学生たちの相談にのっていたようです。一方で学生たちの間では、『鳥越さんは露骨にかわいい女の子にばかり声をかけている』という評判もあった。地方出身の女子学生に、鳥越さんが『東京の父と思いなさい』と声をかけているのを聞いた人もいます」
「ある日、鳥越さんは、とりわけ気に入っていた女子学生を別荘に連れ込んで、強引にみだらな行為を行ったんです。これが原因で、鳥越さんは大学を出入り禁止になったんです」
──以上の証言を基に取材を重ねた結果わかったことをもう少し詳しく書いている部分が続くのだけど、枝葉末節であろうからこれ以上は引用しない。
・・・
要するに鳥越氏が某有名私大の大学2年の女子学生を別荘に呼び出し、いいよったけれど拒絶されたということである。タイトルにある「淫行」の中身はキスどまりで、それ以上の行為には及んでいない(及べなかった)そうである。
別荘での会話の断片らしきものが「」付きの会話体で書いてあるのだけど、ここで疑問が幾つかある。まず、被害者A子さんの誕生パーティを口実に別荘に誘ったようだけど、これはA子さん一人だけだったのか、数人のグループだったのか。記事には鳥越氏のセリフとして、
「二十歳にもなって、そんなに性のことを知らないのか」
「大人の恋愛というのはこういうものだよ」
「バージンだと病気だと思われるよ」
「ラブホテルに行こう」
などと具体的に書かれているのだけど、二人きりであればA子さんしか知らないセリフであろう。記事の書き方からすると、どうも別荘へはふたりきりで行ったらしい。
冒頭に記した登場人物の永井一晃(仮名)氏というのがA子さんの当時の恋人で、現在の旦那さんであるそうだ。従って、上のセリフはA子さんから事情を聞いた旦那さんが文春記者に語った内容なのだろう。
記事を読んだ限りでは、上のセリフの行間にキス以上セックス未満の行為があっても不思議ではないと思われるが、これを「淫行」とするのは大げさな表現だろうと感じる。特に、この出来事で心に傷を負ったA子さんが「死にたい」と口にするようになったというのも大げさに感じる。
しかし、別荘の事件までキスもしたことがなかったという話が事実なら、A子さんは確かに恋愛に関してはかなり奥手だったのだろう。鳥越氏は当時すでに有名人であったし、恐らくはA子さんの父親よりも年上だったろうから、まさか肉体関係を求められるとは想像できなかったのかもしれない。
この辺は個人差があるだろうから、推測でものを言ってもしょうがない部分ではある。
・・・
記事のその後は、A子さんの様子をおかしく思った永井氏が別荘での出来事を聞き出し、鳥越氏を含めた三名での話し合いの様子が書かれている。細かいところをぼかして書いてあるようなので少々はがゆい文章がつづくのだけど、記事全体を読むと大まかな話の流れは事実であるように思われる。
当時この話を聞きつけた週刊新潮が某私大の学生に取材したりして記事になる寸前であったそうだ。
当の鳥越氏は事実無根として週刊文春を訴えると息巻いているそうであるが、どこまでを事実無根と主張しているのかはよく分からない。まさか、(ふたりきりで)別荘に行ったところまで否定はしないと思われるが、この件に関しては全て弁護士に任せているとしか発言していないようである。
宇野元首相のプライベートな女性関係を徹底追及した元週刊誌編集長としては、少々歯切れの悪いことではある。
・・・
客観的に状況を整理すると、還暦過ぎの有名人が二十歳の女子大生を別荘に誘いだし、ことに及ぼうとして果たせなかった。要約してしまえばこれだけである。
これだけで鳥越氏が都知事として不適格だとするのは少々言い過ぎではないかと思いつつこの記事を読み終えた。
世の中には、記事の内容は気になるけどそれだけのために週刊誌を買うのはもったいない、と思う人もいるであろう。そこで、不肖わたくしが内容をご紹介しようと思い立った次第である。
・・・
記事は当該号22〜25頁で、分量としてはそれほど多いものではない。最初の見開きページの上半分は写真と特大活字で埋められているから、実質的な記事は三ページ分である。タイトルは、
『鳥越俊太郎「女子大生淫行」疑惑』
で、サブタイトルは「被害女性の夫が怒りの告白!」となっている。
まず、登場人物を紹介しておけば、
鳥越俊太郎(76):1940年生まれ
永井一晃(仮名・30代後半)
A子さん(2002年当時大学二年生)
淫行疑惑事件が起こったのが2002年──14年前の出来事であり、鳥越氏は当時62才。還暦過ぎである。
・・・
記事の書き出しは文春編集部のいい訳から始まる。この時期に記事化することで都知事選になんらかの影響を与える懸念はあるが、公益性に鑑み決断した云々という意味のことが書いてある。記事の本筋とは関係ないので省略。で、そもそも都知事選の取材をする過程で鳥越氏の醜聞を知り記事にするに至ったとも書いてある。
続いて鳥越氏がかなりの女好きであるらしいという証言が幾つか載っている。まあ、この辺もどうでもよい。
ただし、鳥越氏が名をあげるきっかけになったのがサンデー毎日編集長時代にスクープした「宇野首相愛人問題」であったことは記憶しておいた方がいいと思われる。当時は「三つ指愛人問題」などとも言われたけれど、これは宇野元首相が芸者の指を三本握って、これでどうだ(月30万円の意)などとせまったという生々しい話が出てきたからだったと記憶している。
・・・
さて、2002年に鳥越氏の行った淫行疑惑とはどんなものか。絶対匿名を条件に有名私立大学関係者が語ったところによれば、、、
「鳥越氏は、十数年前、ウチの大学によく来ていました。あるメディア関係の教授と親しかった関係で、その教授のゼミなどを訪れて、学生たちとも交流をもっていたんです」
「特にマスコミ志望の学生などは鳥越さんを慕っていたし、鳥越さんもよく学生たちの相談にのっていたようです。一方で学生たちの間では、『鳥越さんは露骨にかわいい女の子にばかり声をかけている』という評判もあった。地方出身の女子学生に、鳥越さんが『東京の父と思いなさい』と声をかけているのを聞いた人もいます」
「ある日、鳥越さんは、とりわけ気に入っていた女子学生を別荘に連れ込んで、強引にみだらな行為を行ったんです。これが原因で、鳥越さんは大学を出入り禁止になったんです」
──以上の証言を基に取材を重ねた結果わかったことをもう少し詳しく書いている部分が続くのだけど、枝葉末節であろうからこれ以上は引用しない。
・・・
要するに鳥越氏が某有名私大の大学2年の女子学生を別荘に呼び出し、いいよったけれど拒絶されたということである。タイトルにある「淫行」の中身はキスどまりで、それ以上の行為には及んでいない(及べなかった)そうである。
別荘での会話の断片らしきものが「」付きの会話体で書いてあるのだけど、ここで疑問が幾つかある。まず、被害者A子さんの誕生パーティを口実に別荘に誘ったようだけど、これはA子さん一人だけだったのか、数人のグループだったのか。記事には鳥越氏のセリフとして、
「二十歳にもなって、そんなに性のことを知らないのか」
「大人の恋愛というのはこういうものだよ」
「バージンだと病気だと思われるよ」
「ラブホテルに行こう」
などと具体的に書かれているのだけど、二人きりであればA子さんしか知らないセリフであろう。記事の書き方からすると、どうも別荘へはふたりきりで行ったらしい。
冒頭に記した登場人物の永井一晃(仮名)氏というのがA子さんの当時の恋人で、現在の旦那さんであるそうだ。従って、上のセリフはA子さんから事情を聞いた旦那さんが文春記者に語った内容なのだろう。
記事を読んだ限りでは、上のセリフの行間にキス以上セックス未満の行為があっても不思議ではないと思われるが、これを「淫行」とするのは大げさな表現だろうと感じる。特に、この出来事で心に傷を負ったA子さんが「死にたい」と口にするようになったというのも大げさに感じる。
しかし、別荘の事件までキスもしたことがなかったという話が事実なら、A子さんは確かに恋愛に関してはかなり奥手だったのだろう。鳥越氏は当時すでに有名人であったし、恐らくはA子さんの父親よりも年上だったろうから、まさか肉体関係を求められるとは想像できなかったのかもしれない。
この辺は個人差があるだろうから、推測でものを言ってもしょうがない部分ではある。
・・・
記事のその後は、A子さんの様子をおかしく思った永井氏が別荘での出来事を聞き出し、鳥越氏を含めた三名での話し合いの様子が書かれている。細かいところをぼかして書いてあるようなので少々はがゆい文章がつづくのだけど、記事全体を読むと大まかな話の流れは事実であるように思われる。
当時この話を聞きつけた週刊新潮が某私大の学生に取材したりして記事になる寸前であったそうだ。
当の鳥越氏は事実無根として週刊文春を訴えると息巻いているそうであるが、どこまでを事実無根と主張しているのかはよく分からない。まさか、(ふたりきりで)別荘に行ったところまで否定はしないと思われるが、この件に関しては全て弁護士に任せているとしか発言していないようである。
宇野元首相のプライベートな女性関係を徹底追及した元週刊誌編集長としては、少々歯切れの悪いことではある。
・・・
客観的に状況を整理すると、還暦過ぎの有名人が二十歳の女子大生を別荘に誘いだし、ことに及ぼうとして果たせなかった。要約してしまえばこれだけである。
これだけで鳥越氏が都知事として不適格だとするのは少々言い過ぎではないかと思いつつこの記事を読み終えた。