ピンちゃんの赤貧日記

明日は明日の風が吹く
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放射線と放射能
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    福島第一原発の話なのだけど、原子力発電或いは原子核の性質についての理解が不足していて、不安だけが広がり半分パニックになりかけている。ピンちゃんも大して詳しくはないけど、テレビを見ていても、どうしても隔靴掻痒な感じである。

    ネット関係でも、詳しい人(詳しいふりをしている人)は意外に基本的なことは話さず、自分は理解してるんだよ、君たちも同じ前提で議論しようみたいなのが目立つ。基本的なところから説明するつもりはないようである。ほんとに分かってるのか?

    ということで、不肖ピンちゃんが高校生レベルの基本的なことを解説しようと思う。高校で物理を履修した人なら習うはずの内容である。ということは、結構難しいのだけど、なるべく分かりやすく解説するつもりだから頑張って読んで欲しい。

    ・・・

    まずは、原子というのは、原子核と電子から構成されているという話から始める。一番単純な構造の原子は水素で、陽子1個と電子1個からできている。陽子は電気的にプラスで、電子はマイナスである。であるから、水素原子は全体とし電気的に中性である。

    原子番号は同じだけど、中性子の数が違うものを同位体(isotope アイソトープ)と言う。水素の場合、原子核が陽子1個、中性子1個のものを重水素、中性子が2個のものを三重水素と呼ぶ。水素はちょっと特別なので特別な呼び方なのだけど、同位体の概念は放射性物質を語る上で重要なので、注意しておく。

    そして、原子の質量は、陽子と中性子で決まる。電子はとても軽いので、無視して結構である。従って、水素の原子数は1で、重水素は2、三重水素は3である。何のことか分からなくても結構。重水素の質量は、水素の2倍だと思ってもらえればよい。

    次に語るべきは、元素の周期表だと思う。原子の性質というものは、あるものの性質が周期的になっているとメンデレーエフが気づいた。中学とか高校で習ったと思うけど、周期表というのは偉大な発見だったのです。

    どういうことかと言うと、原子の性質の違いは、原子核を構成する陽子と中性子の数、その周りをとりまく電子の数で決まるのです。例えば、ヘリウム原子は、中性子2個、陽子2個、電子2個で構成される原子です。中性子は電気的に中性なので、陽子と電子が電気的につりあっているので、全体的に中性です。

    これを記号的に書けば、例えば水素はH^1_1、ヘリウムはHe^4_2と書くことができます。重水素は、H^2_1です。「^○」が原子量で、すなわち陽子と中性子の数を足したものです。「_○」は、陽子或いは電子の数です。原子というものは基本的に電気的に中性なので、電子と陽子の数はつりあっているのです。

    リチウムは、陽子が3個、中性子が3個、電子が3個なので──という具合に、原子量の大きい(陽子と中性子の多い)原子がたくさんあります。その中に、ウランU^238_92、ラジウム^226_88のような放射性元素があります。元素と原子の言葉の使い分けは、あまり気にしないで下さい。同じものと思っていても問題ありません。

    とにかく、ウランやラジウムなどの質量数の大きな原子核には不安定なものがあるのです。なぜ、不安定なのかと言えば、原子核を構成している陽子はプラスに帯電していて、中性子は電気的に中性です。つまり、普通に考えれば、陽子はお互いを遠ざける力が働いている。

    このままでは原子核は安定に存在できないのだけど、実際に安定に存在しているからにはプラスの電荷の陽子(と中性子)をまとめている力があるはずである。というような発想で見事に理論化したのが我らが湯川博士で、中間子による核力とかなんとかの仕事で1949年に日本人初のノーベル賞を受賞したのです。

    つまり、原子核は核力というもので安定に存在していると思ってください。しかしながら、この核力は、非常に短距離力で、距離が離れると力がいきなり弱くなる。なので、原子番号が大きいウランやラジウムは不安定なのです。こういう不安定な原子を放射性元素と呼んでいるのです。

    ・・・

    なんとなく原子核のことは分かってもらえたと思うのだけど、こういう不安定な原子は、不安定なものだから、ほっておくと勝手に放射性崩壊するのです。こういう元素(原子)がもつ能力を放射能と言ってます。つまり、核力が支えきれなくなって、ある割合で崩壊してしまい、その時にエネルギーを照射します。

    これが放射線で、α線、β線、γ線と呼んでます。その正体は、

    α線:高エネルギーのヘリウム原子核 H^4_2
    β線:高エネルギーの電子
    γ線:10^11m以下の波長を持つ電磁波

    どれも高エネルギーなので、これらが放射され、近くに人間(や動物)がいると、DNAや染色体が破壊されるのが放射線被害です。何度も言われているけど、レントゲンを撮る程度なら問題はありません。ただし、妊娠した女性がレントゲン写真を撮るといけないのは、幼い子供ほど放射線に弱いので、なにやら基準があるようです。

    もうひとつ、最近半減期という言葉をよく聞くと思うのだけど、その意味は、文字通り放射性元素が半分になる期間のことです。wikipediaの説明は難しいからピンちゃんが噛み砕いて言えば、放射性元素が崩壊してもっと小さな核種に変化しながらエネルギーを放出するのだけど、例えばウランの半分が別の元素に変わるまでの期間のことです。

    非常に不思議なのだけど、一つ一つの原子はいつ崩壊するか分からないにもかかわらず、全体としてはある確率で崩壊するのです。崩壊する時に中性子なども放出するので、多くの放射性物質をひとつの場所に集めておくと危険なのです。ある放射性元素が崩壊する時、近くにある放射性元素に中性子をぶつけてしまって、その反応が連鎖的におこるのが臨界なのです。

    ・・・

    放射性物質が崩壊するときにはいくつかの規則性があって、α崩壊、β崩壊などと呼ばれているけど、その詳細は知らなくてもいいと思われる。ちょっと面倒なのである。とにかく、放射性元素が崩壊する時に、高エネルギーの中性子、陽子、電子、電磁波などを出すと分かればよい。テレビで「放射線量」が云々なんていってるのは、これらの放射線が出ていると思っていれば間違いない。

    問題は、どの辺までは安全で、どこから危険かという線引きである。これは難しいと思う。今回初めて知った人が多いと思うけど、福島第一原発のことがなくたって、ひとは日々被曝している。自然被曝というものがあるのです。

    最近、さかんにテレビなどで啓蒙しているけど、恐らくは、その手の知識がない人が恐れているよりはずっと安全なのだけど、乳幼児にとっては危険なので(年よりは危険性が低い)、小さなお子さんがいる家庭では気が気ではないでしょう。

    どうしたらよいかといえば、福島第一原発から遠くに離れるのが一番いいのだけど、それができない近場の人は、窓は開けないとか、外出する時は肌を露出させないとか、そういう話です。

    まずは、原子核そのものの理解の一助になればと思い書きました。説明が足りない部分があると思うので、できる限り(ピンちゃんが知ってる範囲で)何か書いていこうと思ってます。
    | 日記 | 00:00 | comments(1) | trackbacks(0) |
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    続きが楽しみです。
    | fx | 2011/03/30 3:21 PM |
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