ピンちゃんの赤貧日記

明日は明日の風が吹く
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英国の「地球は平たい教会」について
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    先日書いた赤貧日記「何れの処か酒を忘れ難き 天涯旧情を話す」というエントリの最後に、
    235号線を進んでいくと左手に海が広がっている。水平線が丸い。地球は丸いなと思いながら西日のなか家路を急ぐピンちゃんなのだった。

    と書いたわけなのだけど、実はもっといろいろ思ったことがあった。なるほど、水平線が丸ければ、地球は丸いと気づく人は少なからずいただろう。そうは多くなかったにしても。いつの時代の想像だか知らないけど、地球は丸いお盆で海や陸地があり、その下を巨大な象が支えているというのは、あながちバカに出来ない。

    その象がときどき欠伸でもすれば、それが地震だとか思っていたのでしょう。ピンちゃんがちょっと気になるのは、その巨大な象の足元はどうなっていたと想像していたのか、ということ。なんだか知らないけど、象なんだから足元にはしっかりした大地があるって話なのだろうか?

    もちろん、ピンちゃんだって大昔の人間なら、似たようなことを考えたかもしれない。水平線(や地平線)が丸いという事実から分かるのは、平面的な事実だけである。そこから一足飛びに地球が球体だと分かるはずがない。ちょっと酔い始めているので、ここから調べないで想像だけで書きます。

    水平面以外で地球が丸いと分かるひとつの証拠には、帆船のマストがあったはずです。つまり、海の向こうから帆船が自分に向かってやってくると、マストの天辺から見え始め、徐々に船体が明らかになる。これを見れば、観察眼の鋭い人なら、海の向こうは下に下がってると気づくはずです。

    となると、一般庶民の中で勘の鋭い人が、地球はお盆じゃなくて、もっとこう、別の丸まり方をしているんじゃないかと思い始めたのは、大きな帆船が出来て七つの海を駆け巡り始めた「大航海時代」ではなかろうか。

    特別学問がない港の水夫みたいなひとが、直感的に分かっていたかもしれない。ただ、彼らにそれを分かりやすい(しかも、現代で言う科学的な)説明ができなかっただけじゃないかなと、ピンちゃんは思うのです。

    ・・・

    そんなことを思いながら車を運転していたのだけど、もうひとつ思い出したのが『狐狸庵VSマンボウ』。遠藤周作と北杜夫両先生の対談集なのだけど、これがとても面白い。

    ピンちゃんの手元にあるのは「講談社昭和56年6月15日第12刷発行」という文庫本で、119頁から始まる「対談●昭和43年暮 なぜ月は落ちてこないか」がとてもよいのである。すべて書き写したいくらいなのだけど、抜粋します。

    科学とは関係ない話をしばらくしたあと、マンボウ先生が狐狸庵先生に問います。
    「遠藤さんという人は(中略)、これまでおつきあいしてみて、おそらく科学に弱いと思う」
    「まったくそのとおりです」
    「地球がまるい、という説がありますね。逆に英国に「地球は平たい教会」なんていうのがあるでしょ。(後略)」
    「ぼくもそのくらいは知ってます。扁平です」
    「強いて正確にいえばそうです」
    「つまり、フットボールの形です」
    「ハハア、すばらしいご知識」
    「あんまりバカにせんでくれ、きみ」
    「しからば、フットボールにしろ、あるていど、まるいでしょ? そうすると、その裏側にいる人間が落っこちないのは、どういうわけでしょうか」
    「それは引力じゃないか」
    「よろしい、しからば引力とは、なんです」
    「引力とは、ねエ、地球のまんなかにある力です。まんなかからひっぱる力ですよ」
    「ご立派です。じゃあ、ニュートンが発見したように、いまリンゴを落とせば、下に落ちますね。でも、月は落ちてこないでしょ。それはなぜです」

    以下、北杜夫先生が遠藤大兄の科学知識のなさをおちょくるのだけど、北杜夫先生が言っていた英国の「地球は平たい教会」というのは実在します(笑)。

    地球平面協会」。wikipediaによれば、

    「地球が球体ではなく、平面体であるという信仰を支持するキリスト教非主流派の一派」

    なんだそうだけど、一種の原理主義者でしょうか。よく分からないけど、現代では常識とされることでも、信じないという人がいれば、それはそれで小さな思想上の集団になるんですね。思想ってなんでしょうかね。

    こういう人たちを一笑に付していいのかどうかは知りませんが、地震の原因が巨大な象のオナラであっても、別にいいですけどね、ピンちゃんは。自然法則なんて人それぞれで、或いは宇宙人なら別の法則があると思ってるひともいるみたいですから。困ったことだけど。

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