ピンちゃんの赤貧日記

明日は明日の風が吹く
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ある枝切り家族の肖像
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    最近たまにピンちゃんが「枝切り」の現場に入っていることは何度か書いてきました。大抵は半日仕事なんだけど、基本的には、電柱にかぶさっている枝を切る作業の警備です。この作業をやっているのは家内制手工業と言いたくなるくらいな家族総出の仕事です。

    本業は電気屋さんだそうで、平日は高所作業車を操って、電柱関連の仕事をしているらしい。

    らしいというのは、ピンちゃんの会社にオファーされるのは、大抵本業がない土日の枝切りの警備だからなのだけど、この家族が興味深い。大黒柱のD場さんはとてもいい人で、ピンちゃんたち警備員に対する態度はいつもひとなつこいのだけど、いっしょに仕事している家族に対しては厳しいものがある。

    特に、実の父親に対する態度は、いくらなんでもそこまでいわんでもと、ピンちゃんたち警備員の間でひそひそ噂になってます。ここで、土日の枝切りの仕事に出てくる家族構成を勝手に書いちゃうのだけど、大黒柱のD場さん、その妻、恐らくはD場さんのご両親の4名が通常です。数年前までは、小学生の娘さんがくることもあった。

    確かに、D場さんのお父上は非常にとろいひとです。こういう仕事は、現場にいって即座に車をどこに止めればいいか判断する機転が必要なのだけど、悲しいかなお父上はこの分野は苦手であるようだ。

    そうは言っても、電柱脇に植えてある街路樹などの枝を切るのが主な仕事なのだから、街中で近隣の人に迷惑をかけず、しかも素早く仕事を終えるための位置取りというのは、そうそう何種類もない。現場に行けば、だいたい答えはひとつかふたつしかない。

    もちろん、大黒柱のD場さんはすぐに分かって指示するのだけど、お父上は車の運転そのものが下手くそなのだ。指示された意味が分からない事もしばしばだし、分かってもその通り車を停められない。「お前、車から降りれ!」と叱責され、D場さんが代わりに運転する事もしばしばである。

    ピンちゃんが警備員を始めた約5年前から同じような感じで、もはやお父上が今以上に気が利くようになるはずはないので、今のような状態が続くのでしょう。それにしてもです、お父上に対してとても厳しいD場さんは、ピンちゃんたち警備員に対してはいいひとなのだから、性格が悪いわけではないのです。むしろ、性格がいいひとだとピンちゃんは見てます。

    それでも家族間のことだから、ついついきつい物言いになってしまう事情があるのかもしれない。まさか、そんなところにまで口を出すわけにはいかないから黙ってるけど、正直にいって、あんなにお父上を叱責しなくてもいいのにとピンちゃんは内心思っているのです。

    ・・・

    ここからはピンちゃんの単なる想像だけど、賭けてもいい。D場さんは、お父上が亡くなったとしたら、絶対号泣する。あれだけじれったく思っていた、あのグズな父親のために泣く。

    赤貧日記をコメント欄まで読む人なら、ピンちゃんがなぜこんなことを書くのかは分かってもらえるでしょう。ピンちゃんは、プーちゃんのコメントを読んで、悲しくなったとともに、頭にもきたのです。他人の人生や生き方に口を出すのは嫌いだけど、わざわざ赤貧日記のコメントに書かれたことだから、ピンちゃんが僭越なエントリを書いても許されるはずです。

    JUGEMテーマ:日記・一般
    | エッセイ | 00:00 | comments(4) | trackbacks(0) |
    コメント
    ルキノ・ヴィスコンティの「家族の肖像」を思い出しました。
    B.ランカスター演じる教授のところに転がり込んできた人々との生活を描いています。実はあの作品は、ピンちゃんと同じことを言っていると読み取れます。ちなみにB.ランカスターは鼻血が出るほどカッコ良すぎですが・・・
    | えいねん | 2010/09/07 7:37 AM |
    上記は言葉足らずなので補足します。

    人から聞いた話と私の理解からです。三浦半島の先端にM船舶という会社が昔ありました。そこのH社長は大変な人格者で地元でも慕われていた。ご母堂が痴呆になつて、大変厳しく接していたのを見た知合いが「お母様に優しくなさったら」とおためごかしをした。それを聞いたH社長は物凄く怒って「だったら、連れて行って世話してくれ。母のために厳しくいっているんだ。一寸見て優しげなことを言う事は母のためにならない。家族を養うってことはこういうことなんだ!!!」と仰った。ご母堂が亡くなった時にはH社長は人一倍哀しんだ。この話と同じ頃公開されたビスコンティ作品を見て、上記のごとく思ったのでした。

    もちろん、その当時は解らない。ヴィスコンティ監督の「家族の肖像」は教授のところに転がり込んだ人々との仮構の家族生活を通して、家族の本質とは何かを描いている。バートランカスター演じる教授の哀しみが、その事を示していると読み取れる。

    「山猫」、「家族の肖像」、「ルートヴィヒ」このあたりは人生とは何たるやを示してくれる名作だと思うのであります。。。

    親孝行出来ぬ、新宿るんぷろ生活をする私が言ってもアレゲですが・・・。ではでは。
    | えいねん | 2010/09/07 8:02 AM |
    ピンちゃんへ
    私のコメントを読み
    悲しく又頭に来たと有りましたが

    当然です。
    自分の母親を「馬鹿、死ね!」と
    罵倒する者を傍で見れば
    私でもバカヤローと怒ります。

    でもね
    自分自身の事は
    コントロール出来ないのです。

    では
    | プーちゃん | 2010/09/07 10:47 AM |
    えいねんさんへ
    家族の肖像といえば、中島みゆき様のオールナイト日本にも人気コーナーとしてありました。面白い葉書としてみゆき様が喜ぶと握手券がもらえるんですよね。羨ましかったけど、とても葉書職人みたいな文章は欠けなかったなあ。一葉だけ葉書を出したことあるんだけど。

    プーちゃんへ
    このエントリは間接的にプーちゃんのコメントを批判しているわけだけど、そりゃあ、親子にしろ恋人にしろなんにしろ、精神的な絡み合いが強ければ強いほど、何かの拍子にきついことを言ってしまうことはあるでしょう。

    それくらいは私にもわかります。ただ、プーちゃんも還暦でしょう。なら、ご母堂は80代くらいでしょうか。いくら日本人が長寿でも、近い将来亡くなるのであろうから、その時後悔しないような接し方をして欲しいなと、酔った勢いで書いたのがこのエントリなのです。

    余計なことを書いてごめんね。

    | ピンちゃん | 2010/09/07 11:48 PM |
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