2017.07.18 Tuesday
理学白紙からの再出発
午前8時起床。曇り。湿度79%
早寝したのだけど、起き上がると体がだるい。やはり、抗がん剤を投与したあと、すぐにではなく数日たってから体調が悪くなるパターンが多いようだ。体調が悪いと言っても一応起き上がってコタツでパソコンをいじることくらいはできる。
問題は、気力がなくなってしまうので、やらないといけないことができないこと。
・・・
突然だけど、物理の問題を一つ。ピンちゃんが物理好きになるきっかけになった問題。
ロケットを地面からθの角度で斜め上方に初速度v [m/s] で打ち上げる。地上に落下するまでの時間tと、その時の水平到達距離L、最大到達高度をhを求めよ。また角θが何度の時、水平到達距離Lが最大になるか。重力加速度は g = 9.8 [m/s^2] とする。空気抵抗は考えない。
考え方は幾つかあると思うけど、地面に対して垂直な方向yと水平な方向xに分離して考えると分かりやすいと思う。実際は斜めに打ち上げられるのだけど、y方向の射影とx方向の射影に分けて考える。すると、y方向だとロケットは初速vy = v sin[θ]で動きだし、1秒毎に重力加速度gの割合で遅くなっていく。
ちょうどhまで上ったときに速度がゼロになるから、そこまでにかかる時間はvy/gだとわかる。で、hまで上がったあと、今度は徐々にスピードを上げながら地面に落ちていくので、ロケットを打ち上げてから地面に戻ってくるまでの時間は往復で t = 2vy/gになる。
x方向に力は働いていないので、最初から最後まで速さvxで等速直線運動をしているはずである。従って、
L = vx × t = v cos[θ] × 2 vy /g = v cos[θ] × 2 v sin[θ] /g
L = 2 v^2 sin[θ]cos[θ] /g = v^2 sin[2θ] /g
これでロケットの最大到達距離を数式で表すことができたのだけど、ピンちゃんが高校の時に痺れたのは次の設問である。つまり、Lが最大になるのはθが何度の時か。上の式を見れば明らかだけど、初速vが大きければ大きいほど遠くまで届くことはすぐにわかる。これは常識とも一致しているし正しいに違いない。しかし、角度θ = 45°のとき最大になるのは必ずしも自明ではない。
ロケットの軌跡を頭で想像したり図に書いてみれば(軌跡が放物線になることを示すこともできる)、対称性からしていかにも45°で最大になりそうな気がするけど、これは空気抵抗を無視したからそうなるだけで実際の地球上ではまた違うのである。それにしてもピンちゃんは、このθ = 45°に感動してしまい物理が大好きになったのだ。
・・・
ところで、なぜこんな話をいきなりと思われるかもしれないけど、少し前に北朝鮮が打ち上げたロフテッド軌道のミサイル、あれの運動を大まかに見積もれるかなと思いまして。
〇北の挑発に最大限の圧力を
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO18487790V00C17A7EA1000/
日経新聞によれば、
t = 40[min] = 2400[s]
L = 900[km] = 900000[m]
h = 2500 〜 2800[km]
だそうです。説明は省くけど、h = 2500を採用すれば、
vy = √2 g h = 7.0 × 10^3 [m/s]
あれれ、きれいな数値にまとまったなと驚いたのだけど、少なくともそれほど不合理な(鉛直方向の)初速度ではない。ロフテッド軌道を描いて地上に落ちてくるためには第一宇宙速度7.9[km/s]を越えてはいけないのだけど、ちょうどいい具合に越えてない。
余談だけど、第二宇宙速度11.2[km/s]を越えて撃ちだされると、地球の重力圏を振り切って宇宙の彼方に飛び去ってしまいます。θ = 45°だとすれば、
vy = v sin[θ] → v = vy /sin[θ] = 9.9 ×10^3 [m/s]( t = 0の時 )
この初速度vを用いてLを計算すれば、
L = v^2 /g = 10.0 × 10^6[m/s] = 10000[km/s]
これだと10倍も遠くに飛び過ぎですね。これはさすがにまずい。逆に、L = 900[km]になる初速度vを求めると、
v = √Lg = 2.97 × 10^3[m/s]
ふーむ、最後に飛行時間についても計算しておきましょうか。
t = 2 vy /g = 1.01 × 10^3[s] = 16.8[min]
飛行時間は40分ということだから、違いは2倍程度ですか。上の簡単なモデルによる計算でも、初速度vと打ち上げ角θ、二つのパラメタの最適値をシミュレートすれば、全体としてもう少しそれらしい結果に調整することは可能っぽいですね。
ミサイルが多段式であるとか空気抵抗があるというような条件をすべて無視している割には、オーダーとしてはそこそこ正しそうな数値になることを確かめたので、それでよいということにしておきましょう。
・・・
いろいろ計算したあと、高校の時はどう習ったのか気になったので高校物理の教科書を探し出したのだけど、微積分を使わないとなるとこんな感じになるよなあという内容でした。上に書いてあるのは高校で習う力学の初歩なんだけど、それでも実際の数値を使って検討したりすると面白いでしょ?
あともうひとつ書いておくと、大学を辞めてから15年くらい物理の事を思い出す事はあまりなかった。警備員になってからは朝早くから夕方まで働いて帰宅したらお風呂に食事、そのあとすぐに飲みだすという繰り返しだから、物理の事なんてほんとにどんどん忘れてました。
最近量子力学の復習を始めたからかなり勘が戻ってきたけど、上の計算も最初はしばらく考え込んでしまいました。力学だからまだよかったけど、電磁気学なら高校レベルの事を思い出すのもかなり難しいと思う。
ということで、15年のブランクは想像より大きいのだけど、とりあえず物理の楽しさを思い出しつつあるので、赤貧日記もこういう内容が徐々に増えていくかもしれません。
・・・
朝食
エネーボ
ごはん+とろろ
即席みそ汁+とろろ昆布
ミルクコーヒー
昼食
エネーボ
緑茶
きつねうどん
夕食
エネーボ ← 多分飲んだと思うけど、上に書いてる計算に熱中して分からなくなった
ミルクコーヒー
バニラアイス
・・・
体重45.0 体温36.3 血圧97-68
09:10 ボルタレン錠25mg カロナール細粒50% 酸化マグネシウム0.67g
09:10 タケキャブ錠20mg
13:30 ボルタレン錠25mg カロナール細粒50% 酸化マグネシウム0.67g
20:45 ボルタレン錠25mg カロナール細粒50% 酸化マグネシウム0.67g
21:30 MTパッチ貼り替え
早寝したのだけど、起き上がると体がだるい。やはり、抗がん剤を投与したあと、すぐにではなく数日たってから体調が悪くなるパターンが多いようだ。体調が悪いと言っても一応起き上がってコタツでパソコンをいじることくらいはできる。
問題は、気力がなくなってしまうので、やらないといけないことができないこと。
・・・
突然だけど、物理の問題を一つ。ピンちゃんが物理好きになるきっかけになった問題。
ロケットを地面からθの角度で斜め上方に初速度v [m/s] で打ち上げる。地上に落下するまでの時間tと、その時の水平到達距離L、最大到達高度をhを求めよ。また角θが何度の時、水平到達距離Lが最大になるか。重力加速度は g = 9.8 [m/s^2] とする。空気抵抗は考えない。
考え方は幾つかあると思うけど、地面に対して垂直な方向yと水平な方向xに分離して考えると分かりやすいと思う。実際は斜めに打ち上げられるのだけど、y方向の射影とx方向の射影に分けて考える。すると、y方向だとロケットは初速vy = v sin[θ]で動きだし、1秒毎に重力加速度gの割合で遅くなっていく。
ちょうどhまで上ったときに速度がゼロになるから、そこまでにかかる時間はvy/gだとわかる。で、hまで上がったあと、今度は徐々にスピードを上げながら地面に落ちていくので、ロケットを打ち上げてから地面に戻ってくるまでの時間は往復で t = 2vy/gになる。
x方向に力は働いていないので、最初から最後まで速さvxで等速直線運動をしているはずである。従って、
L = vx × t = v cos[θ] × 2 vy /g = v cos[θ] × 2 v sin[θ] /g
L = 2 v^2 sin[θ]cos[θ] /g = v^2 sin[2θ] /g
これでロケットの最大到達距離を数式で表すことができたのだけど、ピンちゃんが高校の時に痺れたのは次の設問である。つまり、Lが最大になるのはθが何度の時か。上の式を見れば明らかだけど、初速vが大きければ大きいほど遠くまで届くことはすぐにわかる。これは常識とも一致しているし正しいに違いない。しかし、角度θ = 45°のとき最大になるのは必ずしも自明ではない。
ロケットの軌跡を頭で想像したり図に書いてみれば(軌跡が放物線になることを示すこともできる)、対称性からしていかにも45°で最大になりそうな気がするけど、これは空気抵抗を無視したからそうなるだけで実際の地球上ではまた違うのである。それにしてもピンちゃんは、このθ = 45°に感動してしまい物理が大好きになったのだ。
・・・
ところで、なぜこんな話をいきなりと思われるかもしれないけど、少し前に北朝鮮が打ち上げたロフテッド軌道のミサイル、あれの運動を大まかに見積もれるかなと思いまして。
〇北の挑発に最大限の圧力を
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO18487790V00C17A7EA1000/
日経新聞によれば、
t = 40[min] = 2400[s]
L = 900[km] = 900000[m]
h = 2500 〜 2800[km]
だそうです。説明は省くけど、h = 2500を採用すれば、
vy = √2 g h = 7.0 × 10^3 [m/s]
あれれ、きれいな数値にまとまったなと驚いたのだけど、少なくともそれほど不合理な(鉛直方向の)初速度ではない。ロフテッド軌道を描いて地上に落ちてくるためには第一宇宙速度7.9[km/s]を越えてはいけないのだけど、ちょうどいい具合に越えてない。
余談だけど、第二宇宙速度11.2[km/s]を越えて撃ちだされると、地球の重力圏を振り切って宇宙の彼方に飛び去ってしまいます。θ = 45°だとすれば、
vy = v sin[θ] → v = vy /sin[θ] = 9.9 ×10^3 [m/s]( t = 0の時 )
この初速度vを用いてLを計算すれば、
L = v^2 /g = 10.0 × 10^6[m/s] = 10000[km/s]
これだと10倍も遠くに飛び過ぎですね。これはさすがにまずい。逆に、L = 900[km]になる初速度vを求めると、
v = √Lg = 2.97 × 10^3[m/s]
ふーむ、最後に飛行時間についても計算しておきましょうか。
t = 2 vy /g = 1.01 × 10^3[s] = 16.8[min]
飛行時間は40分ということだから、違いは2倍程度ですか。上の簡単なモデルによる計算でも、初速度vと打ち上げ角θ、二つのパラメタの最適値をシミュレートすれば、全体としてもう少しそれらしい結果に調整することは可能っぽいですね。
ミサイルが多段式であるとか空気抵抗があるというような条件をすべて無視している割には、オーダーとしてはそこそこ正しそうな数値になることを確かめたので、それでよいということにしておきましょう。
・・・
いろいろ計算したあと、高校の時はどう習ったのか気になったので高校物理の教科書を探し出したのだけど、微積分を使わないとなるとこんな感じになるよなあという内容でした。上に書いてあるのは高校で習う力学の初歩なんだけど、それでも実際の数値を使って検討したりすると面白いでしょ?
あともうひとつ書いておくと、大学を辞めてから15年くらい物理の事を思い出す事はあまりなかった。警備員になってからは朝早くから夕方まで働いて帰宅したらお風呂に食事、そのあとすぐに飲みだすという繰り返しだから、物理の事なんてほんとにどんどん忘れてました。
最近量子力学の復習を始めたからかなり勘が戻ってきたけど、上の計算も最初はしばらく考え込んでしまいました。力学だからまだよかったけど、電磁気学なら高校レベルの事を思い出すのもかなり難しいと思う。
ということで、15年のブランクは想像より大きいのだけど、とりあえず物理の楽しさを思い出しつつあるので、赤貧日記もこういう内容が徐々に増えていくかもしれません。
・・・
朝食
エネーボ
ごはん+とろろ
即席みそ汁+とろろ昆布
ミルクコーヒー
昼食
エネーボ
緑茶
きつねうどん
夕食
エネーボ ← 多分飲んだと思うけど、上に書いてる計算に熱中して分からなくなった
ミルクコーヒー
バニラアイス
・・・
体重45.0 体温36.3 血圧97-68
09:10 ボルタレン錠25mg カロナール細粒50% 酸化マグネシウム0.67g
09:10 タケキャブ錠20mg
13:30 ボルタレン錠25mg カロナール細粒50% 酸化マグネシウム0.67g
20:45 ボルタレン錠25mg カロナール細粒50% 酸化マグネシウム0.67g
21:30 MTパッチ貼り替え