ピンちゃんの赤貧日記

明日は明日の風が吹く
【ゴルゴ13】第1巻 ビッグ・セイフ作戦
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    最初に「ゴルゴ13」シリーズを全巻集めようと思い立ったのはかなり前で、リイド社のコンパクト版(黒表紙)がいいと判断した。途中でお金がなくてタバコ代の為にブックオフに売り払ったりしたこともあったのだけど、こんどこそと決意している。

    前に兄貴が来たときもブックオフに連れて行ってもらい少し買い足したのだけど、実は全巻そろったものも売っていた。1〜151巻、ゴルゴ「出生の秘密」2巻。全153巻で値札は25000円になっていた。更に3割引きの札も貼っていたから17500円で買えたらしい。

    兄貴の目がなかったら買ったかもしれないけど、さすがに気が引けてしまった。ただでさえ治療費がかかってるのに、漫画に2万円近くはちょっとね。まあ、体がそれなりに動く間にちょくちょくブックオフに通い、少しづつ買い集めるのもいいだろう。

    1、2、12〜16、19〜21、58〜70、91〜100、102〜104、106〜108、「出生の秘密」2巻

    かなりとびとびだけど、現在ピンちゃんが集めたのは上にある通りで全44巻。44/153だからもう少しで3割というところです。先は長いけど、楽しみながら集めるとしましょう。

    ・・・

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    ということで、せっかく記念すべき第1巻が手元にあるので、まずはこれの感想を書いておいたほうがいいなと思いついたので書くことにした。

    【第1話/ビッグ・セイフ作戦】
    【第2話/デロスの咆哮】
    【第3話/薔薇と狼の倒錯】
    【第4話/色あせた紋章】

    さて、ゴルゴ13の連載が始まったのは1968年。東西冷戦華やかかりしころで、アメリカではベトナム戦争の泥沼に足を取られてるさ中、どさくさ紛れにキング牧師が暗殺され、アフリカではビアフラ戦争の影響で多くの人々が餓死し、東欧ではプラハの春が踏み潰されていた。お隣中国では文化大革命の大混乱。

    日本では東大紛争の火種がくすぶり始める中、マラソンの円谷幸吉選手が自殺し、日本初の心臓移植手術が行われ、川端康成が日本人で初のノーベル文学賞を受賞し、3億円事件が世間を驚かせた。ピンちゃんの父親が一酸化炭素中毒で植物人間になったのもこの年である。

    ──というような激動の世界情勢の中ゴルゴ13の連載ははじまるのだけど、初期の頃は我々が漠然とイメージしているゴルゴとはキャラクタ設定がかなり異なる。



    第1話はハンブルグの売春宿の朝からはじまるのだけど、昨夜の出来事などを反芻しているのかゴルゴはパンツ一丁で窓の外を眺めている。目を覚ました娼婦が脅かしてやれとこっそりゴルゴの後ろに近づくと、振り向きざまに殴り倒してしまうゴルゴ。おいおい、幾らなんでもそれはないだろ。

    更に、駆けつけた売春宿の用心棒と乱闘になったあげく、道路に飛び出したところを通りかかった警官隊に逮捕されてしまう始末。いや、ひょっとしてこれも計画のうちかと思ったら、どうやら本人も予期していない出来事で単に逮捕されただけだったらしい。

    後に世界中の裏世界の住人から恐れられる超一流スナイパーも、駆けだしのころはけっこうマヌケだったのだ。思うに、最初のうちはゴルゴの人物設定もかなりあやふやだったのではあるまいか。

    なにしろ見開きの扉頁などを含むとはいえ、「背後に黙って近づく者に対して、反射的に攻撃する」(@すぎもり・まさたけ)というプロの習性を描くために14ページも使ってる。しかも殴った相手がただの娼婦という半分ギャグ漫画みたいな始まり方をしているのだ。

    だがしかし、連載初回ということであるから少しくらいは大目に見よう。まずは主人公ゴルゴの特徴などを紹介しないといけないから、つい余計な描写に手間取ってしまっただけであろう。実際、このあとゴルゴが使っている武器が「アーマライトM16を高性能狙撃用に改良したもの」であるとか、娼婦を殴って刑務所に入れられたときは一言もしゃべらず頑張ったなどの情報が付け加えられたりしてる。

    当然、ゴルゴ13の由来についても強引に語られている。刑務所での囚人たちの話として、
    囚人たちはこの男にゴルゴ13という名まえをつけた……
    13は男の番号が1214号であったからきていると思うが、
    ゴルゴとは何を意味しているものかわからん!!

    主を裏切ってイバラの冠をかぶせ
    ゴルゴダの丘で十字架にかけた13番目の男
    ということかもしれんな………

    ──と語っているのは英国諜報部の偉いひとだけど、ピンちゃんとしてはむしろ、なぜ囚人番号が1214なら13なのかがよく分からない。たぶん、そんなに深い考えはなかったであろう。

    あと、初回に明らかにされているゴルゴの人となりとしては、証拠はないが既に多くの要人暗殺を行ってきたらしいこと、仕事をオファーされても相手をすぐには信用せず、かなり用心深く接触すること、その際にどうやって依頼主のアジトまでつけてきたのか自分からべらべら喋る男であることがわかる。

    依頼内容を聞くとき背中を壁に着けた姿勢というのは初回からであり、報酬は全額前金。前金を受け取る際に「領収書はいらないだろうね?」などと軽薄なジョークを飛ばしたりする。ホテルに宿泊する際はまず部屋の中をチェックし、狙撃に使う武器はばらばらにして小包でホテルの部屋に送っておく。

    更に付け加えれば、予定外の事態には素早く対応し人殺しは躊躇しない。請け負った仕事は厳守するが、余計なついで仕事は断る。

    第1話から、ゴルゴのひととなりとしては、だいたい上に挙げたようなことが確認できる。全体的に思っていたより口が軽い人物で驚いてしまうのだが。

    ・・・

    さて、実際の仕事の依頼内容というのは、元ナチ親衛隊長のベルンハルト・ミューラーという人物の殺害である。整形手術で顔を変えスイスのチューリッヒに隠れ住んでいる。終戦と同時に莫大な数の宝石とともに姿を消し、大金持ちなのでプロのボディガードを10人近く雇っている。最近イスラエルのナチ戦犯調査機関がベルンハルトの居場所に気づいた形跡がある。

    どういう訳かイギリス政府としては、ミューラーがイスラエルに生け捕りにされる事態は避けたいらしい。

    (イスラエルのモサドが南米に隠れていたアドルフ・アイヒマンを見つけ出し逮捕連行して世界を驚かせたのが1960年であるから、1968年当時としては、この手の設定はそれほど奇抜なものではなかったと思われる)

    ということでゴルゴに殺しを依頼し、しかも、仕事が手はず通りすすんだら(ミューラーを殺したら)ゴルゴを殺してしまおうというのがイギリス諜報部の作戦である。はてさて、幾ら若くて間抜けなゴルゴとはいえ、そこまで都合よくいくかどうか、、、

    ということで、記念すべきゴルゴ13の第1話「ビッグ・セイフ作戦」の結末は読んでからのお楽しみなのである。

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    それにしても、ナチの親衛隊長とかイスラエルとかいうのは、1968年頃なら最先端の設定なのでしょうね。ゴルゴ13は、当時すでに日本でも話題になっていた007シリーズをかなり参考にしていると思われるので、1968年までに公開されていた007シリーズについてもメモしておきます。

    1963:007 ドクター・ノオ(007は殺しの番号)
    1964:007 ロシアより愛をこめて(007危機一髪)
    1965:007 ゴールドフィンガー
    1965:007 サンダーボール作戦
    1967:007は2度死ぬ
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    【ゴルゴ13】第62巻 ナイトメア
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      (アマゾンで検索したけど62巻がでてこなかった。。。orz)

      さて、ちびちびと読み進めているゴルゴ13シリーズですが、第62巻には4.5話分が収められています。0.5というのは何かといえば、61巻の最後に第249話の前篇、62巻の最初に後編が収められています。

      さて、ピンちゃんがゴルゴ13で楽しみにしているのは、実際に起こった事件をモチーフにして、そこに架空の存在であるゴルゴが登場し事件の裏側を暴くという形式です。どうやら、全くの絵空事から、かなり真相に近い話までいろいろあるようだけど、それらの事件を思い出していろいろ想像したり、登場人物のモデルが誰かを特定するのが楽しいのです。

      いまやインターネットで検索すれば、表向きの事件の概要はすぐに調べられるので、昔よりも楽しめる環境が整っていると思います。

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      一応、後々の為にも、本巻に掲載されている作品の目次も載せておきましょう。

      第239話:南フロリダ殺人ゲーム(後編)
      第238話:ナイトメア
      増刊13話:G線上の狙撃
      第240話:システム・ダウン
      増刊14話:禍(わざわい)なすもの

      本巻の見どころは最終話【禍(わざわい)なすもの】でしょうか。この作品は通し番号第240話の次の作品で、増刊14話ということになっています。上の目次は62巻の掲載順になっているのだけど、通し番号の順序が入れ替わっています。ゴルゴ13研究家すぎもり・まさたけ氏による分類でしょうか。

      恐らく南フロリダ殺人ゲームが長い話なので前篇後篇に別れていて、文庫化するときの都合で入れ替わっているものと思われます。

      さてさて、「禍(わざわい)なすもの」の粗筋を述べれば、ひとときの休暇でアメリカはモンタナ州の隠れ家を訪れたゴルゴがとある事件に巻き込まれてしまう話です。

      静かな町で日用品などの買い物を済ませたゴルゴが屋上でくつろいでいると、空がなにやら騒がしい。米軍機と思われるヘリコプターから兵隊が落下傘降下している。異常事態を察知したゴルゴは行動を開始するが、そこへ大きなバックパックを背負った男女二人が通りかかる。

      実はこの二人はKGB要員で重要な任務を帯びて行動していた。ここからが実際に起きた事件をモチーフにしていて興味深いのだけど、漫画の中ではソ連の衛星「スピカ・コスモス1530号」が軌道修正に失敗し、高度を下げはじめ、最後には地上に落下してしまう。その落下地点がいうまでもなくカナダとの国境沿いのモンタナ州だったのである。

      更に漫画の中では、アメリカ政府はこのコスモス1530号の動力が原子力発電によるものではないかと疑っていた。さっそく米軍はヘリコプターで捜索を始め、一方のソ連でもKGB要員二名に電源部の回収を命じていたのだった。

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      さてさてさて、これは実際に起こった事件であろうとネット検索してみると、すぐに見つけましたよ。たぶん「コスモス954号」のことに違いない。

      wikipediaによれば、コスモス954号は1977年9月18日に打ち上げられた。運用を終えたので原子炉を分離し、高度の高い安定した軌道へ移動させようとして失敗。そのままカナダ北西部の無人地帯に、1978年1月24日に墜落したそうな。

      ピンちゃんの想像を交えて補足すると、原子炉は始末に困るので分離して安定な高高度軌道(墓場軌道というらしい)に移動させ、残りの部分は大気圏への再突入で燃え尽きるような角度で落とそうとしたんじゃないかな。万が一燃え残っても安全な太平洋の真ん中に落ちるようなタイミングも計算されていたことでしょう。

      どういうことかといえば、俗にいうスパイ衛星というのは地上や海上を見張るわけだけど、当時のレンズの性能や日に何度か同じところを巡るという条件からかなり低い軌道を回っていた(250km程度か?)。低い方がよく見えますからね。

      しかし、高度が低いとそれだけ抵抗も大きいからすぐに安定軌道からずれてくる。今ならレンズの性能もいいから、最初から安定軌道に投入するのかもしれないけど、昔はいろいろな技術上の制約があったのでしょう。
      (この辺の話はあまり自信ないです)

      ということで、実際はアメリカのモンタナ州ではなくカナダに墜落し、原子力衛星であることは最初から分かっていたみたいです。1978年1月といえばピンちゃんはまだ12歳になる前なので全く記憶にありませんが、当時は世界中で大騒ぎになったみたいですね。

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      さて、話をゴルゴ13に戻しますが、KGB要員二人がゴルゴのログハウスで休んでいると、アメリカの捜索隊がやってきて外から問答無用で銃撃をはじめます。しかーし、そこはゴルゴ手抜かりはない。平凡なログハウスに見せかけて内側は鋼鉄、窓は防弾ガラス、地下には核シェルターまである(笑)。

      驚いた米軍指揮官がログハウスの持ち主を調べるのだけど、すぐにデュークトウゴウだと判明する──この話の結末までは書かないでおくけれども、最終ページは以下のようにしめくくられている。
      NORAD(北米航空宇宙防衛司令部)は、
      ソ連の軍事偵察衛星”コスモス1530号”は、
      アメリカ上空で再突入、燃え尽きたと発表した。
      一方、ソ連は速やかに陳謝の意を表したのである……

      ・・・

      実際はカナダに墜落したのでカナダ政府に謝罪したと思われるのだけど、驚いたことにソビエト政府はカナダ政府に対して、300万カナダドルの賠償金まで支払ったそうです。

      (1) コスモス954号事件外交解決文書(カナダ・ソ連、1981年4月2日公表)
      1978年1月のコスモス954号崩壊事故に関するすべての問題を解決するための1981年4月2日付けカナダ政府とソビエト社会主義共和国連邦政府間の議定書

      http://www.jaxa.jp/library/space_law/chapter_3/3-2-2-1_j.html

      あと気になる放射線関係について。原子炉本体とウラン燃料は燃え尽きたらしいのだけど、燃え残った破片が散らばり、除染作業が行われたそうで、その名も「朝の光作戦 (Operation Morning Light)」。除染作業に関係する部分をwikipediaから引用しておきます。
      放射性物質を取り除く作業は「朝の光作戦 (Operation Morning Light)」と名づけられ、米加合同チームにより、氷が融ける4月まで(その後10月15日まで延長)、合計12万4千km2にわたって行われた。
      12個の大きな破片が回収され、そのうち10個が放射性であり、1時間当たり最大1.1シーベルト(Sv) の放射線を放つものもあった。しかし回収できた核燃料は全体の1%程度だと見積もられている。

      なるほど、米軍はこのとき放射能を帯びた物質の回収作業の経験をしていたんですね。福島第一原発の廃炉作業とか福島県の除染作業なんかでアメリカのこの経験が役に立ったのかどうか、ちょっと気になるところです。
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      ゴルゴ13全巻読破を目指して
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        自分が癌だと分かったあと、何故かは知らないけど『20世紀少年』22巻、『21世紀少年』上下巻、計24冊をブックオフで購入し一気読みした。恐らく、ショックで気が動転してしまいつつ、前から読みたかった漫画を読まずに死ぬのは無念だという思いが頭をかすめたのだろう。

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        連載の途中までは面白くて興奮しながら読んでいたのだけど、浦沢直樹先生の悪い癖で、大風呂敷を広げすぎ、最後はつじつまが合わなくなりそうだなと途中で見切ってしまったのだ。しかし、やはり気になるので今回大人買いして一気に最後まで読んでしまったというわけである。まあ、感想は前に書いたような気がするのだけど、予想していたよりはうまいことまとめたかな、という気がする。

        ・・・

        で、次に全巻読破を目指しているのが『ゴルゴ13』なのである。もちろん、まだ連載は続いているから、現時点で発表されている分までということだけど、この作品は面白いエピソードがたくさんあるし、文庫本で百巻以上あるから読みごたえもあるだろう。ピンちゃんみたいな境遇の者にとっては、ちょうどいい暇つぶしになると思う。

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        で、ピンちゃんが集めているのは黒い表紙のコンパクト版で、巻末にゴルゴ13研究家すぎもり・まさたけ氏による解説があり、これもなかなか面白い。ゴルゴ13の特徴の一つに、実際に起こった事件などを題材に、あの事件の裏でゴルゴが暗躍し、実はこういうカラクリが隠されていた──という趣向がある。

        むろん、ゴルゴは架空の人物ではあるけど、事件の裏に潜む真相という部分に関しては、全くのホラ話でもないことがあるので、当時の世界情勢などを調べ直して読むと面白さが倍増するという、一粒で二度おいしい的な楽しみ方もできるのである。

        現在手元にあるのは、58〜70、91〜100、SPECIAL EDITION THE FIRST と THE SECONDの計25冊である。これを58巻から読みはじめ、61巻を読んでいる途中なのだけど、【第235話/ワイルドギース】が明らかに「レインボー・ウォーリア号事件」を題材にしていたので、ちょっとした感想を書く気になったというわけである。

        どんな事件かといえば、

        『1985年7月10日にニュージーランド・オークランドで起こったテロ事件。フランスの情報機関である対外治安総局(DGSE)によってグリーンピースの活動船レインボー・ウォーリア号が爆破され沈没、死者1名を出した。』
        wikipediaより抜粋引用

        ということで、死者が出た上にフランス政府が破壊工作を認め、謝罪に追い込まれたというなかなか刺激的な事件である。当時のグリーンピース(GP)は反捕鯨団体というよりは環境保護団体で、その名に恥じぬ理念のもと、原子力発電や原爆実験に本気で反対しており、フランス政府としても彼らの活動を見過ごすわけにいかなかったのである。

        事件の詳細はwikipediaに譲るとして、事件の構図は単純である。要するに、フランス政府が計画していた核実験を円滑に実行するため、邪魔者のレインボー・ウォーリア号を航行不能にしようとした。第一目標は達成したが、誤算がふたつあった。

        まず、死傷者はださないつもりであったと思われるが、第1の爆破が起こったあと、船内の荷物を運び出そうとしていたGPメンバーのカメラマンが、第2の爆発で船と共に水没し死亡してしまった。しかも、破壊工作のあと援護チームの二名が地元警察に逮捕されてしまったのである。

        ・・・

        さて、事件のアウトラインは上のようなものであるが、ゴルゴ13では少々事実を歪曲してストーリーに組み込まれている。

        実際のレインボー・ウォーリア号事件で工作班は三班編成になっており、

        援護チーム(DGSEエージェント)
        機材搬入チーム(DGSEエージェント)
        実行チーム(フランス海軍特殊部隊)

        に分かれていた。全てフランス政府の直属部隊である。

        これが漫画の中では、援護チームだけフランス政府のエージェント(見張り役)で、機材搬入と実行班はワイルドギースと呼ばれる傭兵部隊がやったことになっている。なぜかというと、この漫画が描かれた時点では実行チームの実態が明らかになっていなかったので、そこにフィクションを混入させたのだと思う。

        しかも、漫画の中ではレインボー・ウォーリア号事件は物語の前振りにすぎず、メインストーリーはこの傭兵部隊が商売敵であるゴルゴ13に勝負を挑むことになっている。

        しかもしかも、そのきっかけが、傭兵部隊なら250名の人員をようする作戦をゴルゴならひとりでこなせるとカジノ仲間に言われ、頭にきた傭兵部隊の創設者が、ちょうどいい機会だからゴルゴをやっちゃおうという思いつきなのである(笑)。

        結局、当然の如く傭兵部隊はゴルゴ一人に蹴散らされ、思いつきでゴルゴ13を引っ張り出した傭兵部隊の創設者はゴルゴに撃ち殺されてしまうのである。

        ・・・

        まあ、なんといいますか、いつもは軽く読み流しているのだけど、注意深く読んでみると【第235話/ワイルドギース】はストーリーも適当で、なんじゃこれという結末でございました。天下のさいとう・たかを先生でも、こういうこともあるんですね。

        ちゃんちゃん
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        『20世紀少年』読了記
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          いやー、今頃読了しちゃいました。たまたまBOOKOFFに行ったとき、100円の棚に『20世紀少年』1〜22巻、『21世紀少年』上下巻が欠本なしに売っていたのです。これは非常に珍しいので、思わず大人買い。

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          途中までは週刊連載を読んでいたのだけど、ところどころ読まなくなり、最後がどうなったのかよく分からないままになってました。ちょうどいい機会だから一気読みしようと読み始めたのだけど、結局一週間ほどかかってしまいました。

          本書の見どころ(読みどころ?)はふたつあり、ひとつは当然「ともだち」の正体なのだけど、もう一つは1970年前後の日本、当時の子供たちの生活そのもののディテールが面白い。主人公ケンヂのモデルは作者浦沢直樹さんの子供時代なのだと思うけど、よく憶えてるなあと感心してしまいます。

          20th Century Boy


          懐かしいよね、これ。ケンヂがほうきエアギターでこれを演奏してたのか。

          ・・・

          この作品、どのように紹介したらいいのか迷うのだけど、今はいろいろいそがしいので、wikipediaからの抜粋引用にしておきます。

          『高度成長による「夢と希望」に満ちあふれていた時代から、一転して経済は停滞しオカルトブームが起き、世界滅亡の空気まで漂いはじめた、1970年前後。
          そんな時代の中で、少年たちは、地球滅亡をもくろむ悪の組織や、東京を破壊し尽くす巨大ロボットに蹂躙され、混沌とし、滅亡に向かっていく未来の世界を空想した。そして、それらに立ち向かい地球を救うのは、勧善懲悪の正義のヒーローとその仲間たちだ。下らないようなストーリーを描いたスケッチブックを、少年たちは“よげんの書”と名付ける。しかし大人になるにつれ、そんな空想の記憶は薄れていく。

          1997年、主人公のケンヂは、突然失踪した姉の娘のカンナを養い、コンビニを営む平凡な日々を送っていたが、お得意先の一家の失踪や幼なじみの死をきっかけに、その薄れかけていた記憶を次第に呼び覚まされていく。そして世界各地の異変が、幼い頃空想した“よげんの書”通りに起こっていることに気づく。一連のできごとの陰に見え隠れする謎の人物“ともだち”との出会いによって、全ての歯車は回り出す。』

          ざっとうえのような話で間違いないです(笑)。

          1999年から2006年まで、7年かけて22巻分連載して、最後に完結編として2007年1月から7月まで半年で2巻。全24巻分をピンちゃんは今回一週間ほどで読んだのだけど、やはりこれは連載していたときにライブで読み進めたほうが臨場感があって面白かった。

          途中まではそうしていたのだけど、ちょうど福岡から北海道に戻った時期と重なったりして読めなくなったんですよね。改めて読み返してみて、よく週刊連載でこんなの描けたなと感心し、かつ、最後によく話をまとめきったなとその腕力にも脱帽しました。うーむ、流石は浦沢直樹先生でござる。

          『20世紀少年』については、かなり詳しいファンサイトのようなブログを見つけたので、それを紹介して手抜き感想記を終わります。

          お粗末さまでござります。
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          月刊少年マガジン 2012年8月号 460円
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            もはや遅れているどころじゃないんだけど、とにかくまだこの特別連載企画は続いています。遅れている理由はいくつかあるんだけど、最大の問題はピンちゃんの怠惰にある。非常に申し訳ない。

            修羅の門 第弐門 ふでかげ』原作/川原正敏 漫画/飛永宏之

            完全描き下ろし巻頭カラーということなんだけど、「天皇杯広島県代表決定戦」をリポートする女性アナウンサーの唇がいきなり不自然だ。他の描き方はなかったのだろうか。それはそうと、ふでかげと戦う浮城サッカー部の監督の傲岸不遜さがあまりにもティピカルな感じで、もう少しその監督の人間性を深く描けないものかと不満が残る。

            『capeta』 曽田正人 冨山玖呂
            カペタのストーリー展開は非常に素晴らしい。毎月読むのが楽しみだ。今月はマカオGP予選レースということで、ピンちゃんにはいまひとつ意味が分からないけど、たぶんF3とかなんでしょ。

            そして当然の如くスタートダッシュでクラッシュの危機。5番グリッドの源と6番グリットのカペタはどう反応したか。「少々当たるくらいはもぉしゃーないわ」「生き延びるんや」と対処した源。一方のカペタは「これはピンチか?」「いた!!!」「むしろ大チャンスだ」と積極的に打って出た。

            大混乱のリスボアで、奇跡に一台のリタイアもなく、カペタはとっさの判断で斬り込み6番グリッドから3位へジャンプアップ。ここで源がつぶやく「あの混乱をピンチととらえるかチャンスととらえるか オレは少々守りに入っていたようやな・・・・」

            そしてメルコヘアピンで事件が起こる。。。

            『ましろのおと』 羅川真理茂
            いよいよ雪の個人戦の演奏。はたして雪はどんな演奏をするのか。前半は雪が尊敬するじっちゃの音。玄人好みであるが、途中から雪は自分の感情を開放する。自分の音を模索し始める。雪の母梅子は父親松五郎の音を最高のものと思っている。だから、雪にも松五郎の音を期待している。

            しかし、雪には雪の理想がある。演奏したい音がある。三本の糸の共鳴。震動。雪は「いい音が出せだ!!」とひとまず満足している。そしてラストに田沼総一の演奏が始まる。

            『四月は君の嘘』 新川直司
            「立ち塞がる亡霊──」という副題が今月号にはついてるけど、亡霊とは主人公・有馬公生の亡くなった母親の事である。このネタで数か月引っ張っている訳だけど、そろそろ決着をつけた方がいい。読んでる方が飽きてくる。適度に子供の頃のエピソードを入れて話を膨らましてはいるけれど、この調子ならこの連載は長くは続かない。

            『Mr.釣りどれん・海』
            月刊「少年」マガジンであるからには、こういう連載も必要だと思う。実際、画力も確かだし、内容も面白い。『クッキング・パパ』みたいなドル箱になるかどうかは分からないけど、これだけ描ける作者は大事にしたほうがいい。

            ノラガミ』 あだちとか
            クオリティの高い画力、次を期待させるストーリー展開と文句はないのだけど、題材自体が特殊なので、気を抜くとすぐに陳腐な話になりそうな作品である。例えば作品中のセリフに「オレのために変わってくれた神器ははじめてだ」「禍津神(まがつかみ)に祝(はふり)の器だと!?」みたいなのがある。ほんとうは意味なんて分からないのだけど、なんとなく勢いで分かった気にさせてくれる(笑)。


            とにかく話は盛り上がっている。この勢いを続けて、どこかで何だかよくわからない読者を少しだけ納得させてほしい。

            『カラダ電気店』 馬田イスケ
            このギャグ漫画が密かに好きなのである。馬田イスケさん、期待してるよ。

            鉄拳チンミLegends』 前川たけし
            チンミに刺客が送られたネタで数か月続いているけど、そろそろストーリーを絞らないと中だるみになりそう。


            ・・・

            遅れに遅れているし疲れてもいるので、8月号の感想文はかなり簡略版です。あまり面白くないと思う作品はばっさり無視。
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